「世界の黒澤」のオファーを断って…盟友監督が証言していた「高倉健」映画さながらのダンディズム
「世界の黒澤」のオファーを断る
11月10日で高倉健没後ちょうど10年。前回は高倉健主演映画「あ・うん」(89年公開)「鉄道員(ぽっぽや)」(99年公開)などに出演した板東英二さんとの思い出を書いた。
戦後の大スターである高倉健のエピソードを書くのは、何とも恐れ多いのだが、後年の健さん映画を数多く手がけた降旗康男監督が11年前、監督人生を振り返る夕刊紙の連載「カチンコの音が聴こえる」で大いに語ってくれた。取材は3回。内容の6、7割は健さんについてだった。
「これはすごい」と思ったのは、黒澤明監督の85年に公開された大作「乱」を巡る「降板劇」だ。...