元風俗嬢の妻に「風俗通い」がバレた… その“思い当たるふし”に44歳夫に芽生えた猜疑心

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息子依存の妻

 しばらくすれば気持ちも変わるだろうと思ったのだが、息子が3歳になっても春那さんの猫かわいがりは変わらなかった。このままだとまずいのではないかと、誠太郎さんは自治体の子育て相談に出かけたこともある。

「虐待が話題になる中、かわいがっているなら問題ないでしょうと言われたんですが、かわいがるというより妻が幼い息子に依存しているように見えると訴えました。幼稚園に入れたらどうかと勧められて、そうすることに決めました。妻は幼稚園なんて行かせたくないと言ったけど、息子のためだからと説得しました……」

 もうひとり子どもが産まれれば、妻の息子依存も多少は緩和されるかもしれない。そう思って彼は提案したのだが、春那さんは「もう子どもはいらない」と言った。

「なんとなく春那との関係はギクシャクしたままで、でもそれを修復する方法も見つからず、僕は相変わらず風俗をうろうろしていた。虚しいけど息子のためには仮面夫婦でいるしかないとも感じていたんです」

妻が口にした「あなた…」

 息子が小学校に入った今年の春のある日、誠太郎さんが久々に早めに帰宅すると春那さんが寝込んでいた。息子は「パパ、おなかすいたよ」と言う。あわてて炊飯器に残っていたごはんでチャーハンを作り、冷凍庫を覗いて餃子を焼いた。

「どうしたと妻に声をかけると、なんでもない、ちょっと風邪気味でと言う。でもそんな雰囲気じゃなかったんですよ。深夜に妻は起きてきて、『あなた、この子、知ってるでしょ』って。ときどき行く店のお気に入りの子でした。『今日、あなたのおかあさんに母の日のプレゼント買いに行ったら偶然会ったのよ、彼女に。私、知り合いなの。彼女は店を転々としてきたけど、今はここで落ち着いてると店名を教えてくれた。いつも指名してくれる人がいてねっていう話を聞いていたら、どう考えてもあなたなのよね』って。バレたかと思いました。私が行くなと言える立場じゃないかもしれないけど、と春那は涙ぐみながら言いました。やっぱり傷つけたか、申し訳ないと言おうとしたら、『彼女、妊娠してるわよ』って。そうなの、とびっくりしました。いや、僕の子じゃありませんよ。本番なんかしてないし、彼女とは店外で会ったことはないんだから。でも妻は、『彼女は産むらしいわよ』と。『相変わらず行ってるなんて思ってもいなかった、しかもあの子とね』って……。でも僕は妻の知り合いだなんて知らなかったし」

 それにしても偶然会うものだろうかと彼は不思議に思った。もしかしたら妻は、あの彼女と同じ店、あるいは近隣の店で今も働いているのではないだろうか。息子が小学校に上がったとき、妙に吹っ切れたように「これからは息子の気持ちを大事にしていく」と語っていたのは、自分も仕事に復帰したからではないか。誠太郎さんはそんな猜疑心にさいなまれた。

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