今秋、MC番組が2本スタート「東野幸治」はなぜ、衰え知らずなのか トップクラスの「MC力」とサブカルにも精通の「ふり幅」

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いずれもゴールデン

 この10月に東野幸治(57)が司会を務めるバラエティ番組が2本も始まった。東野、中居正広、ヒロミの3人がMCを担当する「THE MC3」(TBS系)と、東野とSnow Manの渡辺翔太が司会を務める「この世界は1(ワン)ダフル」(フジテレビ系)である。いずれもゴールデンタイムに放送されていて、幅広い視聴者層をターゲットにした番組である。

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 東野はすでに還暦間近の大ベテラン芸人だが、いまだにテレビの第一線で活躍を続けており、新番組が続々始まるまでになっている。テレビの世界では、キャリアを重ねるほどギャランティーの水準も上がるし、感覚が鈍って時代に適応することが難しくなるので、仕事は減っていくのが普通だ。東野の勢いが衰えていないのはなぜなのか。

 司会者としての彼の一番の強みは、ニュースを扱うようなお堅い番組から、お笑い色の強い本格的なバラエティ番組まで、幅広いジャンルの番組を仕切れる抜群の対応力だ。その振り幅の大きさにかけては、彼の右に出る者はいない。

 しかも、バラエティ番組の中にも、ゴールデンタイムに放送するような老若男女向けのものもあれば、深夜に放送するようなマニアックなものもある。それぞれの番組の性質に合わせて自分のキャラクターを微妙に変えながら、スムーズに番組を進めていく。それが彼のテレビ職人としての技術である。

 東野は先輩である今田耕司と並び称され、何かと比較されることも多い。彼らはかつて大阪でアイドル的な人気を博していたダウンタウンの弟分的な存在だった。その後、ダウンタウンが東京に進出して全国区のスターになると、大阪時代の後輩芸人たちも続々と東京で仕事をするようになった。その中で頭角を現したのが今田と東野の2人だったのだ。

 彼らは徐々にダウンタウンの番組以外にも出るようになり、他流試合で腕を磨いていった。当時の彼らには「ダウンタウンの名前を汚すわけにはいかない」という強い思いがあり、共演者に対しても敵意をむき出しにして戦っていた。今田と東野はMCとしての実力を身につけて、数多くの番組で進行を任されるようになった。

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