「病院が廃業を余儀なくされたケースも」「薬剤師にとって大問題」 マイナ保険証に医療業界からクレームの声が続出

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「保険制度に大混乱が」

 いわば“医療崩壊”を招きかねない制度でもあるのだ。『マイナ保険証の罠』の著者でもある経済ジャーナリストの荻原博子氏は、

「心配されるのは、5年というマイナ保険証の有効期限が切れる時です。現行のように新しい保険証が送られてくるわけではなく、自身で更新しなければなりません。病気をしない若者などは期限を気に留めていないでしょうし、また高齢者にとっても難しい作業だと思います。保険制度に大混乱が生じかねません」

 としながら、こう断じる。

「病院の窓口で不便な思いをした患者さんはすでに多くいるでしょうし、更新時期になればそうした人はさらに増えます。マイナ保険証は、少なからぬ国民に『デジタルは面倒臭い』という意識を植え付けてしまうのです」

 国のもくろみとは裏腹に、医療DXの進展を自ら妨げてしまったというわけだ。

 前編【マイナ保険証を解除させないために手続きを煩雑化? 自治体も「もう少しはっきりしてほしい」と苦言】では、マイナ保険証の利用登録解除の手続きが煩雑であり、さらに自治体への連絡もずさんなことからくる混乱などについて報じている。

週刊新潮 2024年11月7日号掲載

特集「現行の保険証廃止まで1カ月 『マイナ保険証』はやっぱりこんなに使いづらい」より

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