菊川怜「離婚発表」と同日に「東レキャンペンガール」終了…水着のキャンギャルやコンパニオンがイベントを盛り上げた時代をふりかえる

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役割は果たした

 この時の中年男性の反応が今考えるとかなりエグいのである。オーディション終了後に採用されるコンパニオンを選ぶのだが、こんな発言が次々と出る。

「Aさんはもう少し胸が欲しいところですな」

「Bさんは沢口靖子さんに似ていてキレイじゃないですか、ガハハ! 当日近くにいたら私は嬉しいですね」

「Cさん、あのコもなかなかセクシーでいいじゃないですか」

 このようにスケベ男どもの品評会のような状況になり、マリンコンパニオンは無事選ばれたのだが、彼女達は会場での案内業務や盛り上げ業務をしてくれただけでなく、打ち上げにも参加してくれた。

 その時は、オッサンと肩組んで記念撮影を求められたりしたものである。私も酔っ払った腑抜けニヤケ顔で彼女達から囲まれて集合写真を撮ってもらったりした。今の時代では考えられないようなジェンダー意識がわずか25年前にはあったのだ。

 そうした時代を経て菊川怜や井川遥は女優や番組MCとしてのステップアップを続け、今に至る。男のいやらしい目を経たものの、「水着キャンペーンガール」という仕事は芸能界で出世するにあたり一つの役割を果たしたと言えるのでは。本稿を2024年に出すことに躊躇はあったものの、1999年、「女性と水着」を巡ってはこのような状況があったことを報告しておく。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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