「きみに逢う以前のぼくに遭いたくて」日本を代表する歌人が、亡き愛妻に捧げた歌碑にこう刻んだ理由
大河ドラマ「光る君へ」に登場する平安貴族たちが「歌」で思いを告げていたのはよく知られる。さすが貴族はやることが庶民と違う、自分なんかはとてもそんなことはできない。そう思う方もいるだろうが、現代においても歌人同士であれば、「歌」によって愛の告白が行われることもあるようだ。
妻である歌人の河野裕子さんとの青春時代を描いた永田和宏さん(京都大学名誉教授)の著書『あの胸が岬のように遠かった 河野裕子との青春』は、ドラマ化もされた作品である。永田さんは細胞生物学者であり、また歌人でもある。...