60歳を過ぎて「書」を始めたダイアモンド☆ユカイ、子育ては“半卒業”… 大物ロッカーの引退が後押しに

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レッド・ウオリアーズの後悔

 ではその「やるべきこと」とはなんなのか?

「グルーブ感があるロックンロールをしっかり日本に定着させたいんだ。エアロスミスでいうと『ドロー・ザ・ライン』という曲のようなね。日本はロックをうまく取り込んで、歌謡ロックやフォークロックのような形で普及、定着していったけど、ロックの醍醐味である“グルーブ感”を持つバンドが育ってこなかったし、根付かなかった」

 このことについて、ユカイは大きく後悔していることがあるという。

「レッド・ウオリアーズがさ、せっかく人気が出たのに、調子に乗って、仲間割れして、あっという間に解散してしまった。あのままレッズを続けていたら、日本のロックはもう少し違うものになっていたかもしれない。俺はそう思ってる」

 ユカイが在籍したロックバンド、レッド・ウオリアーズは1985年に結成し、86年10月にメジャーデビューすると、89年1月に日本武道館3days公演を行うほど人気を博した。しかし、89年10月の日本武道館2days公演を最後にあっけなく解散。デビューからの活動期間はわずか3年だった。短期間に数々の名曲と多大なインパクトを残し、人気絶頂時にあっさりと自分たちで幕を下ろしてしまった。

 その後、複数回に亘って再結成公演を行っている。現在も人気は高く、10月14日にLINECUBESHIBUYA(旧渋谷公会堂)で行われたコンサートは、チケット完売=満員札止めとなった。

 日本にはエアロスミスのような“グルーブ感”を継承するバンドが無い。もしレッズを続けていたら−−。そう憂えていたユカイは、スティーブンの引退報道に背中を押され、自ら動くことにしたという。これが子供に向かって“子育て半卒業”を宣言した背景にあった。

「スティーブンが突然、喉を痛めたように、俺にだっていつ何があるかわからない。俺には時間が無いと改めて思った。だからこれからは日本にグルービーなロックを根付かせるために、俺の時間と体を使いたいんだ。これまで子育てに多くの時間を使ってきたけど、子供ももう中学生だし、次の段階の子育てにいくタイミングだと踏ん切りがついた」

 レッド・ウオリアーズは2026年にデビュー40周年を迎える。

「レッズの40周年に向けて盛り上げていきたいし、ソロとしては来年3月の誕生日に有楽町のI’M A SHOWで『ロッキンミュージカル シン・シャドウブラウン&ブラックパイレーツの冒険』を開催する。ダイアモンドシェイクの活動も続けていくし、書道も自分の愉快な世界を創っていきたい。これからも絶えずエンタテインメントを勉強していくよ。ロックンロール!」

 ユカイはサムアップしながらこう話を締め括った。

華川富士也(かがわ・ふじや)
ライター、構成作家、フォトグラファー。記録屋。1970年生まれ。長く勤めた新聞社を退社し1年間子育てに専念。現在はフリーで活動。アイドル、洋楽、邦楽、建築、旅、町ネタ、昭和ネタなどを得意とする。過去にはシリーズ累計200万部以上売れた大ヒット書籍に立ち上げから関わりライターも務めた。

デイリー新潮編集部

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