南こうせつが語った、26歳で「田舎暮らし」を始めた理由と健康の秘訣 「畑は妻と一からつくった宝物」

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日本人の気遣いは大好きなんだけど……

 何より大事だと思うのは、睡眠です。僕は若い頃から、いつも7時間は寝ていました。レコーディングやコンサートでどんなに忙しいときでも、5~6時間は確保していましたね。日本人は気遣いの民族だから、互いに互いを思いやって、社会がまわっている。日本人の大好きなところなんだけど、これで睡眠時間が短くなっている気もするのよね。

 だけど、こうして人の幸せを願うってこともまた、健康の秘訣なんですよ。「またでたらめ言って」と思ったでしょう? 実は科学的根拠もあるんですよ。生物学者の福岡伸一先生の、「人助けが遺伝子を活性化させる」という記事を見ました。

 そんなこんなで僕も今年で75歳。キーは変わっていないけど、20代の頃のように「イェーイ!」なんて叫ぶのはさすがに難しくなってきた。だけど、その声には、20代の頃にはなかった“品位”のようなものもある気がしています。70代だからこそ表現できることもあると思うし、80代だからこそ歌える「神田川」もあるんじゃないかなと。だからこの声が続く限りは、歌い続けたいなと思っています。100歳の「神田川」ですか? そうね、無理せず頑張ってみましょうか。

 前編【「『神田川』という曲を背負い、苦しい思いも」 南こうせつが明かす名曲秘話 「ずっと歌詞の意味を勘違いしていた」】では、名曲「神田川」を巡る秘話などについて語り尽くしてもらった。

南こうせつ(みなみこうせつ)
大分県出身。1970年にデビュー。フォークグループ「かぐや姫」では、「神田川」「赤ちょうちん」「妹」など、数々のミリオンセールスを記録。解散後もソロとして「夏の少女」「夢一夜」などのヒット作品を発表。大分県での田舎暮らしを続けながら、現在もコンサートを中心に活動している。

週刊新潮 2024年11月7日号掲載

特別読物「デビュー55周年 南こうせつが語る『フォーク』『田舎暮らし』半世紀」より

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