虫混入デマにチロルチョコが“神対応” 「原因不明でもまず動くべき」3つの理由を危機管理プロが説く
チロルチョコの対応は「100点満点」
それでは、今回のチロルチョコの対応を危機管理のセオリーに当てはめると――。
「騒動の初期段階でまず、“事態を把握しており、対応中である”ということをしっかり発信できていました。この際、疑わしきは罰せず、まずはお詫びをするという対応も正しかったですね。今回はそうではなかったですが、時にはあり得ないような理由で異物が混入するケースもあるわけですから、その可能性をゼロと言い切ってはなりません。結果的に“事実誤認”であったと判明した後も、投稿者を責めなかったのも良かったですね。たとえデマを広めた相手だとしても、商品を買ってくれた顧客なんだ、という意識を持てているからこその対応だと思います。危機管理の観点から見て、100点満点の対応だったと言っていいでしょう」(田中氏)
奇しくも、11月7日には、菓子メーカーの「シャトレーゼ」が商品へのカメムシ混入を謝罪したばかりだ。
<10月4日に弊社お客様相談窓口にお客さまより異物混入のご連絡が入りました。その後、弊社では2週間の調査期間をいただき原因の究明にあたりましたが、弊社側のお客様対応におきましてご報告の大幅な遅れや不十分なコミュニケーションがあったことが判明いたしました。お客さまに与えてしまった不快な思いや不信感は計り知れなく、今後も信頼回復に向け誠意ある対応をとらせていただく所存です>(シャトレーゼ)
「初動こそ遅かったものの、自分たちの落ち度をちゃんと認め、経過を報告できている点は評価していいと思います。100点は難しくても、80点になってしまった対応が、さらに60点、50点と減点評価にならないように努めるのも、また危機管理の重要な観点です」(同)
チロルチョコに取材を申し込むと――
最後に、“神対応”をした当事者にお話を伺いたいと、チロルチョコに取材を申し込んだところ、
<いただいた内容について、お答えしたいところなのですが、同様のお問い合わせを複数いただいておりまして弊社としては個別対応が難しいため取材については辞退させて頂いております。せっかくのご依頼のため、ぜひお受けしたいところなのですがご対応できず大変申し訳ありません。>
との丁寧な返事が。メディア応対も非の打ち所がないのである。
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