“最高のファン”には弱さ全開 26年ぶり日本一「ベイスターズ」ホーム戦は負け越していた

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「最高のファンの方の前で優勝できて、最高にうれしいです!」

 日本シリーズを制したDeNAベイスターズの三浦大輔監督(50)は、本拠地での快挙について感想を問われると、こう叫んだ。

 最高というのは監督の主観に過ぎないが、横浜スタジアムに連日多くのベイファンが詰めかけているのは客観的事実である。

「暗黒時代は閑古鳥が鳴いていましたが、DeNA創業者の南場智子氏(62)が球団を買収すると、経営状況は徐々に改善しました」

 とスポーツ紙デスク。

「政官財の癒着を解きほぐし、球場の経営権を取得。外周にビジョンを巡らせ、内野席を増やすなどハード面を整えた。さらにさまざまなイベントを催してファン層拡大に成功したのです」

 南場氏は、オーナーには珍しく、一般席で応援し、それをSNSで発信。これまたファンの心をつかんだ。

ロード戦は絶好調

 ところが、である。DeNAは“最高のファン”の前では異様に弱いのだ。

 まず、今季レギュラーシーズン。リーグ3位のDeNAは71勝69敗3分と勝ち越したが、ホームは34勝37敗1分と負け越した。

 2位阪神相手には11勝13敗1分。ロードは6勝6敗と互角だが、ハマスタでは5勝7敗1分である。1位巨人には8勝16敗1分と八つも負け越したが、うち六つはホームでこしらえた借金だ。

 ゆえに全戦ロードとなったCSは絶好調だった。甲子園球場で行われたファーストステージは2勝0敗で虎退治。東京ドームでのファイナルステージも4勝2敗(巨人のアドバンテージを含めず)で突破した。計8戦、“最高のファン”は、敵地の狭い応援エリアに押し込まれるか、テレビ観戦を余儀なくされたのだが。

 日本シリーズもしかり。対戦相手のソフトバンクには、交流戦1勝2敗。そう、場所はハマスタだった。悪い予感は的中し、本拠地開催の第1、2戦は連敗した。逆に福岡で行われた第3~5戦は3連勝して王手。

「こうなると、ホームに戻る第6戦はお約束通り負けると思ったのですが……」

 11-2と大勝し、日本一を成し遂げたのだった。それにしても……。

“内弁慶”の対義語は特に無いが、これからは“内ベイスタ”に決まりである。

週刊新潮 2024年11月14日号掲載

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