最期を迎えた病院に「億ション」を遺贈 死去から11年「島倉千代子」の“彼女らしい”幕引き

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 2013年11月8日、肝臓ガンで死去した歌手の島倉千代子さん(享年75)。11年が経った今も人気は衰えず、これまで毎年、何らかのベスト盤がリリースされている。根強いファンがいる理由の1つは、曲だけではなく人柄も愛されていたことだ。今回は、その人柄を彷彿とさせる発掘エピソードをご紹介しよう。

(「週刊新潮」2015年2月26日号「島倉千代子は末期の病院に2億円マンションを遺贈していた」を再編集しました。文中の役職、価格表記等は掲載当時のものです)

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4人のきょうだいに300万円ずつ

 彼女にとって生涯最後の楽曲となった「からたちの小径」(作詞・喜多條忠、南こうせつ/作曲・南こうせつ)は、死去の約40日後に発売され、オリコン演歌部門で2週連続1位を記録した。レコーディングは亡くなる3日前、自宅マンションに録音機材を持ち込んで行われた。

 そのマンションは東京・渋谷区神宮前にある。東京メトロ表参道駅から徒歩11分。7階建ての4階にある部屋の所有権は、彼女から国家公務員共済組合連合会に移っている。彼女が亡くなるまで入院していた東京共済病院はこの連合会所属である。

「姉が亡くなってからしばらくして、弁護士から連絡があり、遺言状が届きました」

 こう語るのは、島倉千代子の実弟・島倉征夫氏。

「遺産相続について、初めてその概要を知りました。その中に、4人のきょうだいに対して、『これからも仲良くやってください』という文言と共に、一律平等に300万円ずつ遺すとありました。晩年お世話になった人々にも私たちと同等かそれ以上の金額を遺すと。自宅マンションは、東京共済病院に贈りたいが、そのまま遺贈するか、それができない場合は、売却してその金額を遺したいと書いてありました。93年に乳ガン手術を受けたのも、最期を迎えたのもあの病院でした」

 共済組合連合会は、

「故人の御遺志により遺贈の申し出があり、これをお受けすることにしたものです」

 と言う。マンションの部屋の広さは193.7平方メートル。同じマンション内のおよそ100平方メートルの部屋が9800万円で売り出されていることから換算すると、2億円程度の価値があると考えられる。

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