「トランプ勝利」が“第三次世界大戦”を食い止める? 波乱を呼ぶ大統領は「今そこにある世界の危機」にどう対峙するか

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韓国と北朝鮮の「代理戦争」にも

 その緊張感が一気に高まる出来事が、10月に表面化した。北朝鮮が兵士1万人を、ウクライナと戦うロシアのために派遣することがわかったのだ。さらに11月6日には、今年6月に金正恩総書記がロシアを訪問してウラジーミル・プーチン大統領と合意していた「包括的戦略提携条約」を批准することになった。北朝鮮兵はウクライナの国境にあるロシア西部クルスクに配備されており、すでにウクライナ軍とも交戦している。SNSなどでは北朝鮮兵の犠牲者の写真など未確認情報も拡散されている。

 問題は、こうした動きが出てきたことで韓国も行動に出たことだ。韓国政府はこれまでウクライナには殺傷用武器を提供しない方針だったが、北朝鮮兵が派遣されたことを受けて、尹錫悦大統領がウクライナに対して殺傷用武器を提供する支援について初めて言及した。さらに、韓国の情報機関である国家情報院とウクライナの情報機関による協力関係の強化を図っており、ウクライナをめぐる緊張が高まっている。

 またポーランドも、韓国に武器提供をするよう打診していたことも報じられており、周辺も韓国軍の深い関与を求めている。

 ということは、ウクライナは今、北朝鮮が韓国への挑発行為を続けている「朝鮮半島の代理戦争」の地になる可能性が高まっているのだ。米政府関係者は、こう指摘する。

「もしウクライナなどに提供された韓国の兵器で、北朝鮮兵が殺されるようなことがあれば、ウクライナの地だけでなく朝鮮半島でも交戦が始まるシナリオは考えられる」

 そうなるとアメリカや中国も関与せざるを得なくなり、一気に世界が大混乱に陥ることになる。そうなると世界大戦が勃発する可能性が否定できない。

 さすがの日本政府もこの展開に、指を加えて見ているだけではない。11月4日、日本の国家安全保障局の秋葉剛男局長が中国を訪問。政府関係者によれば、

「秋葉氏は王毅外相と4時間以上におよぶ会談を行って、ウクライナにおける北朝鮮やロシアの協力強化と中国の見解について探りを入れてきた」

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