朝ドラ「おむすび」が歴史的低視聴率のウラでテレ朝「無能の鷹」は絶好調 脚本家は同じなのに評価が“好対照”の理由

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NHKが見落としたこと

「朝ドラは1話15分と短いものの、平日に毎日放送される6カ月の長丁場です。視聴者の反応を見ながら初期の放送中に後半の筋書きを変えていくこともしょっちゅうありますから、掛け持ちなんて余裕はないというのが本音だと思います」

 掛け持ちが上手くいかなかった脚本家の例もあるという。

「朝ドラ『エール』の収録開始前に降板した林宏司さんです。彼は直前まで、自身が書いた小説をドラマ化した『トップナイフ―天才脳外科医の条件―』(日本テレビ)の脚本にかかりきりでした。そのため『エール』の脚本を降板したのはクランクインまでにNHKのスタッフと十分な打合せができなかったことが原因かもしれません」

 そんな中で根本氏は、朝ドラ「おむすび」と連ドラ「無能の鷹」を掛け持ちしているわけだ。

「異例中の異例だと思います。彼は『監察医 朝顔』(フジテレビ)の時も『サ道』(テレビ東京)と被っていましたが、いずれのドラマもシリーズ化しました。器用な方なんだと思います」

 もっとも、今回は「おむすび」の評価はさほど高くない。

「『おむすび』は暗い話が多く、ヒロインの笑顔も見えず、元気も出ません。一方、『無能の鷹』は、『正直不動産』(NHK)や『ハコヅメ~たたかう!交番女子』(日テレ)を手がけた根本氏の真骨頂だと思います。ビシッと決めた菜々緒がどうしようもないおバカという意外性と楽しさ、コミカルで肩肘張らず呑気に見られるドラマです」

「おむすび」はなぜそうならなかったのだろう。

「『おむすび』は阪神・淡路大震災の場面から描くべきだったと思います。『あまちゃん』を彷彿とさせる橋本環奈の海落ちから入ったことで、視聴者から“数字欲しさ”と見透かされてしまったのだと思います。さらに、『おむすび』には原作がないこと。根本氏のヒット作のほとんどは、人気漫画の原作がある。『監察医 朝顔』、『ハコヅメ』、『サ道』、『正直不動産』、『無能の鷹』もそうです。彼は人気漫画を連ドラ化するのが上手い。NHKのスタッフは、それを見誤ったのかもしれません」

デイリー新潮編集部

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