日本シリーズ惨敗「ソフトバンク」に専門家は「小久保監督の慢心」を指摘…名将・野村克也氏が「短期決戦では常に自分たちが“格下”」と考えていた理由
日本シリーズはソフトバンクの4連敗で幕を閉じた。Xでは「ソフトバンクはパ・リーグの恥」という批判が相次いで投稿された。その中から辛辣なものをご紹介しよう。《ソフトバンクはファイターズとパ・リーグに謝罪お願いします》、《金で選手集めておいてこの戦力で負ける》、《今年の戦力で日本一になれないのは、もっと他に原因あるでしょう》──。
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何しろ91勝49敗でパ・リーグ1位のソフトバンクが、71勝69敗でセ・リーグ3位のDeNAに敗れたのだ。そもそもセのCS(クライマックスシリーズ)でも74勝の阪神と77勝の巨人が、まさかの敗北を喫した。担当記者が言う。
「ソフトバンクは8月から9月にかけて、対日ハム戦で7連敗を記録しました。勢いに乗って日ハムはCSのファイナルステージに挑みましたが、ソフトバンクはアドバンテージの1勝に加えて3連勝と実力を見せつけました。これでセ3位のDeNAを破るのは確実とパのファンは期待していたのです。ところが結果はDeNAの圧勝。『パ・リーグの恥』、『日ハムが出場すべきだった』という投稿がXに殺到することになったのです」
野球ファンが厳しい視線をソフトバンクに向けるのは、小久保裕紀監督と村上隆行打撃コーチの発言が物議を醸したことも大きい。
「最初に小久保監督は初戦を勝利すると、なぜかインタビューで『3つ負けられるのが日本シリーズ』と発言し、ソフトバンクファンから『流れに水を差す発言』と疑問視されていました。さらに第3戦では試合前、村上コーチがDeNA先発の東克樹投手に対し、オリックスの宮城大弥投手のほうが『断然いい』と比較。伝え聞いたDeNAの選手が燃え上がって勝利を手にしたと報じられました。さらに試合中に東投手がファンの指笛を問題視したのですが、これに小久保監督は試合後、『“口笛”って何。指笛? 笑ってしまいました。みんなで大爆笑していました』と発言、DeNAをバカにしたような内容だと批判が集中したのです」(同・記者)
自滅したソフトバンク
少なからぬ野球解説者は「ソフトバンクの自滅」を指摘した。代表的なデータの一つが四死球の多さだ。全6戦でDeNAの投手陣が与えた四死球は16だったのに対し、ソフトバンクは28に達した。
「DeNAが敗れた初戦で、DeNAの投手陣は合計8つの四死球を与えました。一方のソフトバンク投手陣はたったの2つだったのです。ところがDeNAが勝ち始めると、四死球の数は綺麗に逆転していきます。第3戦はDeNAの投手陣が与えた四死球は2つだったのに対し、ソフトバンクの投手陣は8つ。ソフトバンクの投手陣は第5戦も8つ、第6戦も6つの四死球を与えました。強打を誇るDeNA打線に対し、いたずらに四死球でランナーを溜めてしまってはひとたまりもありません。ソフトバンクの典型的な自滅パターンだったことがよく分かります」(同・記者)
ソフトバンクの投手陣が苦しんだ理由の一つとして、打撃の低迷も挙げられる。何しろ27イニングも無得点だったのだ。苦労しながらランナーを溜めても、凡打で0点に抑えられることが多かった。これで投手陣は「自分たちが守り切らなければチームは負ける」、「DeNAには1点もやれない」と緊張してしまい、いつものように思い切ったボールで勝負することができなかったようだ。
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