“モラハラ”“托卵”がテーマで「重い」「しんどい」 フジ「わたしの宝物」が見逃し配信で大バズリするワケ

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お気に入り100万人突破

 そんな戦略が「わたしの宝物」にも受け継がれている。主人公が抱く罪悪感や周囲の葛藤、苦悩など重いテーマがかえって視聴者の共感を呼び起こしているかのようだ。世帯視聴率は第1話(10月17日)5.1%、第2話(同24日)5.1%、第3話(同31日)3.7%と絶好調というわけではない。

 だが、個人が好きな時間に好きな場所で見るという視聴習慣が定着する中、TVerのお気に入り数は102万1000人に達しており、フジ月9「嘘解きレトリック」(月曜午後9時)の67万7000人、TBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(日曜午後9時)の76万9000人を大きく引き離す人気ぶりなのだ。

 フジテレビ関係者が指摘する。

「松本演じる専業主婦の神崎美羽が、外では理想の夫に見えるエリート商社マンの夫・宏樹(田中圭)から家庭でモラハラ発言を繰り返されます。そんな中、かつて“ヒーロー”のような存在で密かに思い続けていた幼なじみの冬月稜(深澤)と偶然再会して、一夜を共にして彼の子供を宿します。こうしたドロドロの展開は、どうしてもこの先の3人の運命を知りたくなります。

『海のはじまり』もそうでしたが、フジは人間が抱える罪悪感にスポットをあてて丹念に描くスタイルのドラマをあえて狙っているように見えますね。ネット広告につながる見逃し配信数を稼ぐ戦略という点で、フジは新たな金鉱を探し当てたのかもしれません。『わたしの宝物』は第1話から第3話までTVerのほかフジが運営する配信サービスのFODでも視聴できます。これもネットシフトを重視する姿勢の表れです」

「海のはじまり」「わたしの宝物」でハッキリしてきたフジの「重い」「しんどい」路線。視聴者はどこまで耐えられるか――。

デイリー新潮編集部

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