国民・玉木代表「大平元首相と親戚」の怪しすぎる説明 事務所すら正確に把握できない関係性
「なんで墓参りをしているんだ、と不快感」
衆院選で大躍進を遂げ、キャスティングボートを握るに至った国民民主党の玉木雄一郎代表(55)。彼の政治家としての原点は故・大平正芳元首相で、地盤の一部だけではなく、政治信条も受け継いでいるとされる。が、そこには解明されざる「謎」が存在していて……。
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4年前の2020年6月、国民民主党の玉木雄一郎代表は故・大平正芳元首相の墓参りをしたことをTwitter(現X)で報告した上でこうつづっている。
〈敵をつくり相手を貶(おとし)めることで自分の評価を上げる政治手法が蔓延する時代だからこそ大平の「楕円の哲学」の意義が改めて見直されています。郷土の大先輩として少しでも近づけるよう頑張ります〉
玉木代表による墓参りが、当の大平家側の不興を買っていたことはあまり知られていない。
「玉木さんが墓参りをしたことを知った大平家側の関係者は“ウチとは何の関係もないはずなのになんで墓参りなんかしているのか”と不快感を示していました」(永田町関係者)
両家の親族たちも「分からない」
玉木代表はこれまでメディアのインタビューなどで大平家とは「遠い縁戚関係にある」などと説明してきた。にもかかわらず、なぜ不快感を示されるのか。
今回、「週刊新潮」は玉木家、大平家側双方に取材をしたが、どちらの側も親戚関係について「分からない」との回答ばかりだった。
そこで大平元首相の孫、渡辺満子さんに話を聞くと、次のような説明をしてくれた。
・大平元首相の次男の妻が遠藤さんという家の次女である
・この次女の妹である三女が香川出身で大蔵官僚の邊見(へんみ)さんと結婚した
・玉木代表の父の姉の長女(つまり玉木代表のいとこ)が邊見家に嫁いだ
この点について玉木事務所に聞くと、「渡辺さんからすでに回答している」との返事。
しかし、これだけではあまりにもあいまいだ。さらに取材を進めたところ、ついに邊見家の親族から「答え」が得られた。その親族によると、
「玉木さんの父親の姉が邊見孝一郎という人に嫁いでいます」
そして、この孝一郎氏の弟・敬三郎氏という人物が大平元首相の次男の奥さんの妹と結婚しているのだという。
あまりに遠過ぎる親戚関係
つまり、玉木代表の父親の姉の夫の弟のところに、大平元首相の次男の奥さんの妹が嫁いでいる、ということだ。言い換えれば、玉木代表の伯母の義弟の配偶者が大平元首相の次男の義妹ということになる。言い換えてもややこしさは変わらない。親戚をアピールするにしては、あまりに遠過ぎる。
もちろん尊敬する人物の墓参りをすることに問題はない。しかし、これで縁戚者のような顔をして大平家の墓参りをしたのでは、大平家側が不快感を示すのも当然。「パフォーマンス」とのそしりは免れまい。しかも、「父親の姉の長女が邉見家に嫁いだ」という玉木事務所の説明は間違っていたことになる。大平家との関係を正確に把握していないのに、「遠い縁戚関係」と言い続けてきたのだろうか。
「大平さんの娘さんの芳子さんと孫の満子さんはいつのまにか玉木さんを大平家の正式な親族同然に扱うようになっており、地元では“ああ、玉木さんもやっぱり権力とお金に弱いんだ”という声が上がっていました」(地元政界関係者)
“親戚じゃないんだから”
いずれにせよ、大平元首相の親族のバックアップを得たことにより、玉木代表の地盤は盤石に。09年以降、今回まで6回連続で選挙区での当選を果たしている。
「民主党が野党に転落した12年の選挙の時にはもう、あんまり大平アピールをしなくなっていました。事務所関係者から“大平の親戚と言うのはやめたほうがいい。親戚じゃないんだから”と忠告されたようですね」(玉木事務所関係者)
11月7日発売の「週刊新潮」では、玉木氏が酷使するあまりに秘書が続々と事務所を去って行った問題などと併せ、一躍政局の中心に躍り出た玉木氏の“素顔”について詳しく報じている。