公明党大敗で「創価学会」に迫る本当の危機 「池田大作名誉会長」死去、「政治と宗教」の問題だけではない“最大のリスク”とは

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選挙は『祝祭』

 そんな「票数の減少」そのものが、さらなる学会の危機をもたらす可能性もあると櫻井教授は続ける。

「現政権は政治理念が一致している連立でないため、学会の集票力を自民党から見限られてしまうことこそ、公明党と創価学会が喫緊で抱えるリスクといえます。維新や国民民主の存在感が増してくる中、『政権与党には何としても残らなければ』というのが本音ではないでしょうか」

 というのも、

「今の創価学会にとって、選挙は心理的な結束力を高めるための『祝祭』と呼べるものなのですが、その先にある、与党の一翼として国政に大きな影響を及ぼしているという“成功体験”や“主役感”も、大きな意味を持っていたわけです。加えて、与党の一員だったがゆえに、これまで自民党に守られ、曖昧になっていた面もある。連立がなくなれば、場合によっては統一教会のように、政・教の癒着の問題、あるいは献金の問題などが厳しく指摘されることもあるかもしれない。様々な意味で、与党を外れることこそ、公明党および創価学会が恐れるシナリオといえると思います」

負けを認められない

 しかし学会がはらむ本当のリスクは、その“体質”にあると櫻井教授は指摘する。

「創価学会は、会員数や選挙での得票数の増加など、『勝利』の名のもとに徹底した拡張戦略をとり、ここまで発展してきた宗教団体です。『信仰にご利益がある』という教えである以上、信仰の延長にある選挙活動においても、実績を出し続けないといけない。それゆえに、どんな場面でも負けを認められないんです。投開票日の翌日の聖教新聞には、『公明党、激戦突破相次ぐ』という華々しい見出しが紙面を飾り、大阪での敗戦には一言も触れていませんでした。そもそも2005年から20年間変わらない『公称827万世帯』という会員数も、実態と乖離があるのは明らかなのに、一向に修正する気配が見られません」

 この“虚勢”こそが、重大なアダになりかねないというのだ。

「たとえば立正佼成会などは、全盛期に比べて会員数が半減したことを公表し、それに応じて一部の会館を閉めたり、傘下の病院を事業譲渡するなど、経営の効率化を図ってきた。対して創価学会はこのような“身の丈”に合った組織戦略がとれず、会館などもまだまだ拡張戦略をとっているのですが、維持や管理も含めて相当なお金かかることですよ。これを信者さんから財務(寄附)という形で集めようにも、間違いなくどこかで行き詰まることでしょう。実態との乖離が広がっていくほど、自分たちの首を絞めることになり、かつ冷静な見方ができる若い世代ほどおかしさに気づき、組織を離れて行ってしまう。学会として現状を受け入れるのか、その前に組織運営が破綻してしまうのか、分かれ目が近づいているといえます」

デイリー新潮編集部

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