悲しい理由で“行為はなし”のバツイチ夫婦 50歳夫が沼ってしまった「思わぬ相手からの誘い」

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【前後編の後編/前編を読む】こんな女を妻にしておけない… 50歳夫が別れを決めた「社交的」「パーティ好き」な彼女の真実

 神保永太さん(50歳・仮名=以下同)は、25歳のときに4歳年上の志織さんと結婚し、娘にも恵まれた。だが“大人のパーティ好き“な志織さんの一面を知り、離婚。引き取られた娘との交流は続けていたが、志織さんの再婚相手が海外で働くことになり、それも叶わなくなった。「別居でもいいから娘を見守りたかった」と当時の心境を振り返る。

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 どんなに絶望しても生きていかなければならない。永太さんはそう考えていた。実の父親が命を絶ったりしたら、それこそ娘に顔向けができない。こうなったら仕事に没頭するしかなかった。社内の昇進試験を受け、資格を取るための勉強も始めた。

「人生、いちからやり直そうと思いました。がんばって、いつか娘に会ったときに、おとうさん、すごいねって言われたい。それだけを考えて日々を過ごしていこうと」

 10年たち、彼は目標の資格も取得、昇進した。地道に努力してきたこと、周りからの信頼も厚かったことから思った以上の出世を果たした。

「特に趣味もなく、週末も勉強ばかりしていたんですが、よくいく図書館で知り合った女性がいました。ごくまれに図書館のカフェで話す程度で、デートひとつしたことはなかった。ただ、話の流れで資格取得の話もしていたので、合格したときは伝えました。彼女、すごく喜んでくれて『お祝いしなくちゃ。食事でもいかがですか?』って。その後、『あ、でも私たち、食事に行くような関係ではないですよね、ごめんなさい』と慌てて言うので、いや、行きましょうと。女性に恥をかかせたくなかったし、食事くらいどうということもないしと思ったんですが、実は彼女に惹かれていたのかもしれません」

夕美さんの過去

 結婚など懲り懲りだと思ってはいたが、合格を喜んでくれたその女性、夕美さんの気持ちはうれしかったし無碍にはできなかった。食事をしながら、夕美さんとは同い年であるとわかった。彼女は過去に一度結婚したが、相手のモラハラでうつ状態になって実家に逃げ帰った話を、淡々と話した。ときには冗談を交えるその強さに、彼はますます心惹かれた。

「短大を出て就職して22歳で結婚して24歳で別れて、それから大学に編入して、とある企業に中途入社したそうです。週末、ときどき図書館に来るのはすぐ近くに住んでいるのと、本が大好きだからと言っていました。子どものころ、授業が嫌で抜け出して図書室にこもり、問題児扱いされたこともあるそうです。おとなしそうに見えたんだけど、夕美もまた、前妻の志織のように“自由”を尊重するタイプかもしれないと、少し笑いそうになりました。結局、僕はこういうタイプから逃れられないのかと」

 それからときどき食事をするようになり、お互いに恋人がいないとわかって親密さが増した。あるとき、食事後に「うちでコーヒーを飲まない?」と彼女が誘ってきた。

「彼女と一緒にいると楽しいんだけど、僕が思っていた自由な女性とは少し違っているような気がしていました。正直、つかみどころがないというか。淡々と何でも受け止めるような感じというんでしょうか。毒気はまったくない。自己主張が激しいわけでもない。素敵な女性なんだけど、強烈な恋愛感情をもてずにいました。部屋に行けば、もっと彼女のことがわかるんじゃないかと期待していました」

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