こんな女を妻にしておけない… 50歳夫が別れを決めた「社交的」「パーティ好き」な彼女の真実
“こんな女を妻にしておけない”
彼は目を伏せながら、最後の言葉を早口で言った。薄暗い灯りの写真だったから、最初はなんだかわからなかった。だが見ていくうちにだんだんと理解していき、それと同時に気持ちがかき乱された。こんな女を妻にしておけない。そう思ったという。
「志織に言いました。悪い、パソコンの写真を見てしまった、と。彼女は『プライバシーの侵害だわ』と一言。そうだね、でもきみは婚姻を継続しがたい重大な事由という離婚原因にあてはまることをしているよねと言い返しました。離婚したいの? したいというよりきみを妻と認められないと言ったら、わかったって」
ただ、娘のことがネックだった。こんな妻に娘を育てさせられないといえば、親権はとれるかもしれない。だがひとりで育てていく自信はなかった。いっそ彼女の両親にすべて打ち明けようかとも思ったが、さすがにそこまでは言えない。
「妻は『私は悪いことをしているわけじゃないの。そもそも、あなたがセックスしてくれないから、こういいうことになったのよ』と言うんです。僕のせい? 僕のせいで乱交に走ったわけ、と聞いたら、そうねって。いや、普通はそうならないでしょ。『不倫してドロドロになるより、あっさり遊んで後腐れないほうがいいじゃない』と。彼女の思考についていけなかった。まあ、“世間の常識外”のことをしているのは本人もわかっているみたいでしたけど。何度も話し合い、僕も悩みに悩んで、最終的には娘に悪影響がないようにと念押しして親権を妻に渡しました。その後、妻は両親と同居しましたから、娘のことは一安心でした」
離婚したのは34歳のときだ。離婚後は志織さんの実家近くのアパートを借り、週末は娘と過ごすこともあった。だがその後、相次いで志織さんの両親が亡くなり、娘が小学校に入ったころ、志織さんは「再婚したの。彼の仕事の都合で、しばらく海外に住むから」と連絡があった。あわてて娘に会いに行くと、そこにはすでに「新しい父親」がいた。
「パパ、ごめんねと娘が言ったんですよ。母親と結託して、新しい父親のことは僕に黙っていたから、それを謝ったみたい。僕はただただ泣けて……。いいんだ、またいつだって会えるんだからと伝えました。再婚相手も、会うのを阻止したりしないと言ってくれたけど、海外だったらそう簡単には会えないですよね」
娘が成長していく過程に関わることができない。それを実感して、彼は離婚を後悔した。離婚などせずに別居でもいいから娘を見守りたかった……。今でもそうすべきだったと思っていると彼は小声で言った。
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悲しい結末に終わった永太さんの結婚生活。【後編】では、新たな出会いを経て、彼が思わぬ方向へとハマっていく過程が紹介されている。
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