こんな女を妻にしておけない… 50歳夫が別れを決めた「社交的」「パーティ好き」な彼女の真実

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【前後編の前編/後編を読む】悲しい理由で“行為はなし”のバツイチ夫婦 50歳夫が沼ってしまった「思わぬ相手からの誘い」

 ちょうど40年前、『くれない族の反乱』(TBS系)というドラマがあった。主演は大原麗子。「夫はかまってくれない、姑は気を遣ってくれない、子どもは言うことを聞いてくれない」と、イライラが募っていく専業主婦が仕事に目覚めていく話だった。そして外で惹かれあう相手を見つけてしまうのだ。この不倫相手が田村正和。大人の物語だった。

「僕は小学生だったけど、覚えてますよ、そのドラマ。母親が夢中で見ていたから」

 神保永太さん(50歳・仮名=以下同)は少し笑みを浮かべながらそう言った。

「専業主婦って結局、ストレスがたまるんでしょうね。母も専業主婦で、ときどき意味不明な苛立ちを僕にぶつけてくることがあった。夫がかまってくれなかったからだったのかもしれません……」

病床の母の「つぶやき」

 ふっと顔を曇らせた。母は彼が大学を卒業して就職してほどなく亡くなったのだが、病気で生死の境をさまよいながらつぶやいたのが「もっと……抱いて」という一言だったという。彼は言いにくそうにその話をした。おそらく母は女として満たされていなかったのだろう、あのドラマに自分を重ねていたのではないか、と。

「母が亡くなった当時はよくわからなかったけど、オヤジは1周忌を待たずに再婚したんです。母が生きているころからの関係だったんだろうなと思った。だから母はあんな生々しいうわごとを言っていた。僕だけしかいない病室だったからよかったけど、とにかく母がかわいそうでたまらなかった」

 父は今でいうモラハラ夫だった。あげく、自分の母親の介護を妻に押しつけ、子どもたちの成績が下がったとか素行が悪いとかいっては妻に手を上げた。そんな父親を見て、彼はいつか母に楽をさせてやりたいと思って育った。それなのに社会人になってすぐ母は還らぬ人となってしまった。

祝福された結婚

 母を亡くし、父は再婚し、姉はすでに結婚して遠方に住んでいた。たったひとりでは寂しかったから、25歳のときに最初の結婚をした。相手は、同じ職場で4年先輩にあたる志織さんだった。

「志織は本当にできた人でした。僕の荒みかけていた気持ちを和ませてくれ、生きる勇気と希望を与えてくれた。彼女は仕事もできたから、まさか結婚してやめるなよと周りからプレッシャーをかけられていた。上司には『まさかきみが彼女の気持ちを射止めるなんて。今まで何人もが彼女にアプローチしたけどことごとくフラれていたのに』と言われました。僕でいいのかなと彼女に尋ねたこともあります。頼りにならないし、まだ生活力もないし。すると彼女は『あなたは純な人。そこが好き』って」

 周囲に祝福されてふたりは結婚した。彼女はそれを機に、自らの希望で部署を異動した。もともとやりたかった企画開発の仕事ができるようになったのだ。ふたりとも仕事は忙しかったが、まだまだ伸び盛りだったから、仕事に全力を傾けた。

 それから4年後、女の子が生まれた。志織さんは産後半年で職場復帰、近くに住む志織さんの義父母が毎日、手伝ってくれた。

「ふたりともいい人でした。週末は、全然うちに来ないんですよ。家族水入らずで楽しんでって。志織は、ああいう両親に育てられたから、夢も希望もたくさん詰まった心をもてたんだねと言ったら、『ちょっと自由に育ちすぎたかもね』と笑っていました。そのときはどういう意味かわからなかったんだけど、彼女は学生時代に留学もしたし、卒業後もバックパッカーであちこち回ったし、若いときにしたいことはたくさんしたと言っていたから、そのことを指しているんだと思い込んでいました」

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