「ポスト菅野」狙いではなかった「阿部巨人」のドラフト戦略…上位指名3人を“内野手”が占める深謀遠慮

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阿部監督の右腕

 その石塚と3位・荒巻、育成2位の堀江正太郎(18=文星芸術大付高)の担当スカウトが大場豊千スカウトである。

 スコアラー歴も長かったが、阿部監督が現役を引退し、二軍指揮官として指導者生活をスタートさせた20年は二軍マネージャーを務めていた。また、阿部監督が作戦兼ディフェンスチーフコーチとなった22年には、ともに一軍に挙がっている。「荒巻は阿部監督が推した」と聞くと、大場スカウトも今回のドラフトの仕掛け人の一人なのかもしれない。

 投手にも触れておきたい。ドラフト5位の左腕・宮原駿介(22=東海大静岡キャンパス)だが、昨年12月の大学日本代表候補の強化合宿に呼ばれている。昨年8月の静岡理大戦で参考記録ながら完全試合を達成しており、奪三振数の多さから「静岡のドクターK」とも評されていた。

「大学では主に先発でしたが、リリーフで使っていくようです」(前出・同)

 球速は140キロ台後半、鋭く曲がるスライダーで空振りを取るタイプだ。その投球スタイルから21年シーズンに58試合に登板した中川皓太(30)が重なってくる。阿部監督が本当に欲しかったのは「ポスト菅野」ではなく、丸とタフネス左腕・中川の後継者だったようだ。

デイリー新潮編集部

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