「世耕の戦い方はうまかった」 裏金議員・世耕弘成氏はなぜ二階陣営に勝てたのか

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権謀術数を駆使

 世耕氏の巧妙な戦術はほかにもあって、

「世耕さんは選挙区の2区だけではなく、1区の支援者にも“比例は公明党”へ投票するよう依頼していました。自民の比例枠に伸康さんが滑り込む余地をなくそうとしたのでしょう」(二階陣営関係者)

 まさに権謀術数を駆使して伸康氏を追い詰めていったというのである。無論、二階陣営もただ手をこまねいていたわけではない。

「選挙戦終盤の3~4日間はオヤジさんも応援に入ったよ。もうそんなに体力がないから街頭演説で一緒に立つとかはできないものの、ハコモノの集会に1回顔を出してくれたし、その後も事務所で首長たちと面会を重ねたんだけど……」(前出・県議)

 しかし、老父の助力も虚しく、息子は比例復活を果たせず落選の憂き目に。世耕氏は冒頭の取材で「26年間“ザ・自民党”でやってきて、和歌山の国会議員の経歴は私が一番長いわけで、(党に)戻ることに違和感は全くない」と述べたが、県連の反発は必至。勝てば官軍とはいかないようだ。

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週刊新潮 2024年11月7日号掲載

特集「自民惨敗に『誰も詰め腹を切る必要はない!』 孤独な宰相『石破茂』の大迷走」より

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