「反ワク団体は“闇の経済圏”を形成」 レプリコンワクチンを販売する製薬会社が反対運動に真っ向から反論 科学者、医者は対立をどう見ているのか

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レプリコンの「実績の少なさ」

 ただ、上氏の周りでも積極的に「レプリコンワクチンを打ちたい」と考えている人は少数派だという。

「より少ないmRNAで大きな効果を見込めるというレプリコンワクチンの理念自体は素晴らしい。でも、すでに新型コロナが5類相当に移行し、死亡率も大きく下がっていた昨年末の段階で、世界に先駆けようとこのワクチンの承認を急ぐ必要があったのか。ワクチンに対する国民の不安を考えれば、十分な期間を置いて、重篤な副作用の可能性が無いことを確認してからでもよかったのではないかと思ってしまいます。その点、先行しているmRNAワクチンには、国内だけでもすでに1億回以上の接種データが積み上がっている。今、レプリコンワクチンを選ぶのは、ベテランのタクシードライバーがたくさんいるのに、わざわざ仮免のドライバーを選ぶようなもの。接種希望者が少なくなるのは仕方ないのではないでしょうか」(同)

 上氏同様、レプリコンの「実績の少なさ」を指摘する声は他にも上がっている。

 総合内科専門医として一次医療を担う秋津医院の秋津壽男院長も、

「従来のワクチンは最初の接種から4~5年が経過し、ある程度長期の副作用も判明している。そのような状況であえてさっそくレプリコンを選ぶ必要はないのではないかと思います」

 定期接種ではどのメーカーのワクチンを接種するかは病院次第。

「今回打てるワクチンは3種類で、レプリコンの他には最も接種実績の多いmRNAワクチン、それに、比較的副作用が少ない組換えタンパクワクチンがあります。接種する人は、事前に病院に問い合わせれば、どの種類のワクチンかを教えてくれるでしょう」(同)

「接種前に十分な情報収集を」

 もちろん、定期接種の対象者でも「打たない」という選択肢は考えられる。

 秋津氏も、

「うちの病院では今年の定期接種の受付は見送ることにしました。今年の夏も第11波となる流行がありましたが、来院される患者さんのほとんどは38.5~39度の発熱が2日ほど続き、4、5日もたてば回復されていた。この程度であればおおむね“普通の風邪”レベル。体の弱っている方や持病のある方でなければ、ワクチンを接種しなくても、解熱剤や痛み止め、漢方などで十分戦っていけるというのが私の考え方です。とはいえ、コロナは変異が多いですから当初のように致死率の高い株が生まれる可能性もなくはない。ご自身の体力や持病、主治医のアドバイスなども参考にしながら、接種前に十分な情報収集を行うことをお勧めします」

 最後は“自己責任”。自分の健康は自分で守るしかないのである。

前編【「自殺行為に等しい」 レプリコンワクチン批判の研究者が反対運動の“真意”を明かす 「国民の健康よりも製薬会社の利益、という姿勢」】では、ワクチンへの反対運動を展開する「mRNAワクチン中止を求める国民連合」の創設者の一人で東京理科大学名誉教授である村上康文氏の主張を紹介している。村上氏が「mRNAを打つのは自殺行為」と語る理由とは――。

週刊新潮 2024年10月31日号掲載

特集「新型コロナワクチン『レプリコン』は法廷闘争へ 徹底追及『反ワク学者』に製薬会社が異例の“超強気”反論」より

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