なぜ裏金議員にバーター取引を? 公明・石井代表、最大の敗因とは

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背に腹は代えられない

 地元の自民党市議が声を潜めて言う。

「13区の学会員は裏金問題の三ッ林氏にアレルギーがあったでしょうし、逆に14区の自民党員もなじみのない公明党の代表を素直に応援できなかった。一般の自民党支持者には三ッ林氏と石井氏のバーターなんて言われても違和感があるでしょう。地元市議だって、石井さんを支援するために一所懸命動いたのかといえば、誰も本気ではやっていません」

 ジャーナリストの乙骨正生氏が言う。

「埼玉の学会地域幹部に、裏金候補に推薦を出したことについて“公明党は政界浄化の党ではなかったのか”と聞きました。すると、“三ッ林の票をもらわなければ勝てない。背に腹は代えられないんだ”などという答えが返ってきた。ですが、こういうことを続けていくと、学会内部で疑問や矛盾の声が出る。それがひいては、組織の弱体化につながります」

 裏金候補とのバーターが、集票マシーンの力を鈍らせたとみる。

 石井氏の落選確定が判明したのは、投開票日から日付をまたいだ28日午前1時ごろ。支援者の姿もまばらな埼玉県草加市の選挙事務所で、ある党関係者は目に涙を浮かべながら、

「裏金問題の批判は大きかったですが自民党のみならず、与党に対して信任が得られなかったのでしょう」

 と語った。連立を組む友党のトップの落選と交代。それはまた、石破政権を苦しめずにはおくまい。

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週刊新潮 2024年11月7日号掲載

特集「自民惨敗に『誰も詰め腹を切る必要はない!』 孤独な宰相『石破茂』の大迷走」より

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