無名だった元AKB48メンバー(21)が突然のブレイク 趣味はボートレースで芸人顔負けの“毒舌”と“大喜利力”

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

強烈なギャップ

 魅力的なタレントにはギャップがあると言われることはあるが、彼女ほど強烈なギャップを持っている人も珍しい。

 また、前述の通り、彼女はバラエティタレントとして安定した実力の持ち主であり、その部分が評価されている。「バラエティは戦場だ」とよく言われる。ドラマや映画などと違って、バラエティ番組には決まった台本がないので、その場その場の状況に応じて、瞬間的な判断で当意即妙な受け答えをしなければいけない。そこには独特のセンスが求められる。

 その点、福留はバラエティの実戦経験がそれほど多くない割に、抜群に勘が良い。とっさの判断で場面ごとの「正解」を選び取る天性の能力を持っている。最初は大喜利が得意な元アイドルということで注目されていたが、彼女の潜在能力は大喜利という特定のジャンルにとどまるものではなかったのだ。

 さらに言えば、福留が短期間で躍進した最大の理由は、佐久間という1人の演出家がその実力にお墨付きを与えていることだ。「佐久間宣行のNOBROCK TV」の動画の中でも、佐久間は福留の才能を絶賛していた。

 佐久間は百戦錬磨のバラエティディレクターである。そんな彼が認めているのだから、福留は「本物」であるに違いない。そういうふうに信頼を得られているからこそ、テレビのスタッフも安心して彼女に出演オファーをすることができるのだ。

 現時点ですでに非凡な才能を発揮している福留光帆。でも、彼女の実力はまだまだこんなものではないだろう。大喜利で芸人とも真っ向勝負できる本格派の女性タレントとして、彼女がこれからどれほどの高みに上っていくのか楽しみだ。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。