「僕の意向は全くない」と言いつつも 藤川球児監督、初ドラフトで「独立リーグ偏愛」の行方

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 新たに阪神の指揮を執る藤川球児監督(44)が初めてのドラフト会議に臨んだ。

 交渉権を獲得したのは、支配下5人に育成4人の計9選手。大学生はゼロで、実に5人が独立リーグに所属する選手だった。

 藤川監督は現役時代、独立リーグの一つ、四国アイランドリーグplusに所属したことがある。

「ドラフト後、藤川監督は『僕の意向は全くない』と言っていましたが、阪神は、監督の意向が指名に色濃く出る球団ですからね」

 とスポーツ紙記者が語る。

「たたき台をスカウトたちが作っても、監督が“もっと大学生を”と言えば作戦を変えます。それに彼は監督就任前から球団特別補佐としてスカウトなどの活動をサポートしてきたので、先頭に立ってリストを作ったわけでないにしても、意向が全く働いていないわけではない。母校・高知商出身で独立にいた後輩も指名されていますしね」

「単なるひいきともいえない」

 独立リーグの選手は、野球で収入を得ているとはいえ、せいぜい月給10万~15万円。無給となるオフにはアルバイトを余儀なくされることもある。そんな窮状を知る藤川監督が救いの手を差し伸べたか。

「彼の胸中に“独立リーグを含めて野球を盛り上げたい”という気持ちがあるのは確か。ただ、単なるひいきともいえません。才能を見極める眼力があると自任していますから。独立を“磨けば光る宝の山”と思っている節もある」

 独立リーグからプロ入りして頭角を現した選手といえば、ロッテの角中勝也外野手(37)や、中日を経て現ソフトバンクの又吉克樹投手(33)らがいる。阪神で中継ぎの一翼を担う石井大智投手(27)もその一人だ。

 今季はリーグ2位。来季はV奪回が期待される新監督だが、育成術もお手並み拝見である。

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