総選挙で惨敗「公明党」がセクハラ訴訟で敗訴 「所属議員」のセクハラ、「代表」の被害女性への“口止め”を「東京地裁」はどう判断したか

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おぞましいLINE

 謝りはしたものの、それがきっかけになってしまったのか、その後、熊野氏の行動はエスカレート。太田さんのもとへ頻繁にLINEが来るようになり、その中には、“行為”を妄想したものまで送られてくるようになった。

 そして、決定的な事件が訪れたのは、2022年4月。夜中の23時過ぎに太田さんの携帯に熊野から電話が来る。泥酔していたと思われる熊野氏は卑猥な言葉を連発した。

 そのLINEや電話のおぞましい内容は、文末の関連記事「公明党・熊野正士議員の性加害が発覚 被害女性が明かす、身の毛もよだつ「セクハラLINE」の内容とは」に詳細が記されている。

口止めをされた

 激怒した太田さんは前述の公明党関係者に相談し、公明党の北側一雄・副代表(当時)まで話が伝わった。熊野氏は3カ月後の7月に参院選を控える身だった。北側氏から太田さんに電話があり、「申し訳ありません」と謝罪を受けた。太田さんはそこでセクハラ電話の件も伝え、「熊野氏に議員を辞めて欲しい」「山口那津男代表(当時)とも話をしたい」と要望。すると、5月、再び北側氏から電話があり、隣にいた山口氏とも話すことが出来たという。謝罪を受けたものの、その場でも再び議員を辞めるよう要求した太田さん。

 当時の記事によれば、両者のやり取りは以下だ。

山口:大変ご迷惑をおかけしました。重々注意して、こういうことがないようにします。
太田:議員を続けてはいけない人です。
山口:もうすぐ選挙なので…。それが表に出ると議席が…。
太田:それはそちらの都合ですよね? 私は被害者なんです。
山口:それはそうなんですが、とにかく議席を。今回の選挙で通れば、あと6年は行ける。

 口止めをされた。太田さんはそう感じた。しかし、熊野氏自身も「タイミングを見て辞めます」と言うので、選挙が終わるまでは胸に納めておくことにしたという。

 しかし、2回目の当選を果たした後も熊野氏からはアクションがない。そこで、警察や弁護士に相談すると共に、メディアへの告発を決意した。これが当時の「週刊新潮」記事の大要である。

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