「政界復帰は厳しい」 惨敗の丸川珠代氏を待ち受けるイバラの道

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 よほど“おしどり”なのだろうか。裏金議員として夫婦で処分されたかと思えば、次は夫婦そろって“ただの人”に。なりふりかまわぬ泣き落とし作戦も大ひんしゅくを買った丸川珠代元五輪相(53)の行く道は。

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 熱気とはおよそ無縁の、白い壁に囲まれた殺風景な選挙事務所。支援者用に用意された40脚のパイプ椅子のほかには、片隅にテレビが置いてあるだけだ。その画面から流れる選挙特番が、開始早々に彼女の落選を報じたとき、居合わせたのは60人以上のメディア関係者と、わずか数人の支援者だった。

支援者も驚く惨敗

 支援者の一人は、こう肩を落とす。

「厳しいとは覚悟していましたが、さすがにもう少し接戦になるかと思っていました。これほど早々と結果が出たのには驚いています。やっぱり国民の生活がなかなかよくならない中で、政治とカネの問題が大きかったのか……」

 参院から衆院への鞍替えで、渋谷区と港区からなる東京7区での出馬。計822万円に及ぶ裏金の処分で比例での立候補は認められなかった。が、安倍昭恵さんから石破首相まで、豪華というべき応援弁士をそろえ、街頭演説では“小選挙区一本です”“どうか、お助けください”と涙を浮かべ、今にも土下座をしかねない勢いで懇願までしてみせる。

 選挙戦最終日のマイク納めでは、

「この日本をゆるがせにしてはいけないと、その心だけで戦ってきました!」

 かすれ声でそう絶叫したものの、立民の対立候補に3万票の大差をつけられ惨敗した。

滞在時間は4分

 かくして、当選3回、環境相と五輪相まで歴任した元女子アナ議員が、永田町を去ることになったのだ。

 落選の報から約2時間後、待ちくたびれた支援者の前に姿を現した彼女は、

「私たちも力不足であったと痛感しております」

「これまでの活動で十分にご理解をいただくことができなかった」

 など、通り一遍のあいさつの弁を述べたあと、

「バッジは着いていませんが、自民党の一員であることには変わりはありませんので(中略)われわれがもう一度、ちゃんとしたスタートが切れるように、しっかり力を合わせていきたい」

 そう語り、足早に会場を去った。滞在時間はたった4分。演説での涙はどこへやら、なんともあっけない。

 政治部デスクの話。

「夫の大塚拓さんは地元の埼玉9区から出馬して、新人の立民候補に4300票差で負けました。3万票の差をつけられた丸川さんと比べれば、善戦したのは明らか。結局、丸川さんはキャリアアップをもくろんで鞍替えしたのでしょうが大失敗でした。余計な上昇志向に惑わされず、参院にとどまっていれば、安泰だったと思いますよ。結果を見る限り、大塚さんより政界復帰への道は険しいでしょう」

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週刊新潮 2024年11月7日号掲載

特集「自民惨敗に『誰も詰め腹を切る必要はない!』 孤独な宰相『石破茂』の大迷走」より

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