丸川珠代氏の敗因は「お涙頂戴作戦」だけではなかった! 弱者に冷たく負けず嫌いで「なんか鼻につく」

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お涙頂戴は2007年の成功則 弱者嫌いのマジョリティー主義の反動が仇に?

 見せ方と言えば今回の「お助けください」という泣き落とし戦術も話題だが、実は初当選の時は「涙」で勝利している。当時の安倍総理大臣の掲げる「美しい国づくり」のスローガンのもと、「日本人でよかった」と涙ながらに訴える姿が男性や若年層の支持につながったと掲載する週刊誌もあった。

 しかし今回は男性たちもそっぽを向いたようである。「ロンハー」で共演した田村淳さんも、名指しはせずとも〈選挙で落選しそうだからなのか?涙ながらに助けてくださいと言われても…〉とSNSに投稿。同調する文化人も多く、もちろん女性もしらけた目で見ていたことだろう。

 先の「マイノリティー側に自分を置かない」という戦い方にも通じるが、丸川氏は弱者には冷たいのではないか。子ども手当のやじもそうだが、厚労省政務官時代に人材派遣会社の新聞広告に出て、のちに答弁を禁止される謹慎扱いになったことも。リーマンショック後の「派遣切り」問題を受け、派遣社員の雇用の安定のために「日雇い派遣の原則禁止」が施行された矢先に「日雇い派遣の原則禁止は見直すべき」と言っただけでなく、同広告で用いた「猫の手も借りたい」という表現については派遣社員を軽視していると批判が上がった。子持ち世帯や派遣社員といった弱者に寄り添う意識を見せず、政財界の有力者たちにはすり寄る言動ばかり目立っていた丸川氏が、今さら泣いたところで「お偉いさんにどうにかしてもらえよ」と有権者が鼻白むのも無理はない。やっぱり自分の見え方が、どこまでもズレている人である。

 ちなみに女子アナ時代の同期には、現役女性アナとしてテレビ朝日初の役員待遇となるエグゼクティブアナウンサーとなった大下容子さんがいる。丸川氏と正反対の、自分とは全然違う属性の人の話にも真摯に耳を傾けられる人だ。丸川氏よりよほど政治家の資質があると思うが、負けず嫌いの丸川氏はどう思うだろうか。政治家の道は絶たれても、またどこかの会社の社外取締役とかになりそうな気がするけれど。とはいえまずは、自分と世間のイメージのズレを、大下さんに教えてもらってから出直した方がよさそうだ。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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