赤旗の「裏金」「2000万円問題」スクープで自民に大打撃も…「共産党」はなぜ議席を減らしたのか
共産党、大敗──。第50回衆議院選挙は10月27日に投開票され、共産党が獲得した議席は8議席にとどまった。あれだけ自民党に逆風が吹いていても、公示前の10議席から2議席を減らしてしまったのだ。おまけに比例代表の得票数も減少している。
***
【写真】今年7月の都知事選で物議をかもした「共産党」による“蓮舫・抱きつき”戦略の証拠写真
前回2021年の第49回衆院選の比例得票数と比較してみよう。共産党は21年、約416万票を得たが、今年は約336万票と80万票の減少となった。
国民民主党とれいわ新選組も同じように比較してみると、まず国民は約259万票が約617万票に伸び、約358万票の増加。れいわ新選組も約221万票が約380万票となり、約159万票を増やした。共産党の退潮は鮮明だと言わざるを得ない。
改めて近年の衆院選を調べ、共産党の議席数と比例の得票数がどれほど減ったのか振り返ってみよう。
2014年に行われた第47回衆院選で共産党は有権者の支持を受け、公示前の8議席から21議席へと大幅に増やした。比例の得票数も第46回が約369万票だったのに対し、約606万票と大きく伸ばしている。
だが2017年の第48回衆院選では9議席を失って12議席に減少。比例も約440万票に落ちこんだ。さらに21年の第49回衆院選では2議席を失って10議席に。ただし比例は約416万票と、これは前回の水準を維持した。そして、今回の選挙で議席は2ケタを割ることとなった。担当記者が言う。
「共産党の退潮を考える際、どう考えても不思議なのは、自民党の裏金事件で重要なスクープを連発したのが、共産党の機関紙『しんぶん赤旗』だったということです。赤旗の日曜版は2022年11月6日、『パー券収入 脱法的隠ぺい2500万円分 不記載 岸田派など主要5派閥』との記事を掲載しました。この記事でコメントを求められた神戸学院大学の上脇博之教授が独自調査を行い、派閥のパーティー収入の一部が裏金化しているのではないかと検察に刑事告発を行いました。まさに裏金事件は赤旗のスクープで幕を開けたのです」
[1/4ページ]