生まれ変わったら宇宙飛行士になりたい… “国会のキーマン”国民民主・玉木雄一郎代表が「子ども向けインタビュー」で見せた素顔

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最初の党に「民主党」を選んだ理由

 私は政治の世界は緊張感がないといけないと思っています。今、自民党政権が長く続いています。自民党政権には、私も財務省の役人として仕えたこともあるのですが、もう1つの選択肢をぜひ作りたいと思って、2005年、当時野党だった民主党から衆議院選挙に出馬したんです。それは、政権交代、つまり政権をとっている党が入れ替わる仕組みを作りたいと思っているからです。

 アメリカで言えば共和党と民主党、イギリスなら保守党と労働党のように、時々政党が交代する仕組みを作りたいと思いました。それで、当時野党だった民主党から立候補しました。4年後に政権交代を実現して、3年3ヵ月は与党でしたが、今はまた野党に戻っています。でも私は、与党になったり野党になったりを繰り返すことが大事だと思っています。

 たとえば同じiPhoneもauにもソフトバンクにもありますよね。商品自体は同じなんですよ。でも、複数の会社で売って、競い合うんです。サービスが悪くなると、ほかの会社に乗り換えられてしまうから、サービスをよくしようと思ってがんばるんです。政治も同じで、いつも複数の選択肢が国民に用意されているということが必要です。それが緊張感をもたらして、権力の腐敗や慢心を防ぐことにつながると思います。

 まだ道半ばですが、自民党に代わるもう1つの政権を引き受けることができる、信頼される政党を作りたいと思って、当時野党第1党だった民主党から出馬をしたんですよ。野球もサッカーもそうだけど、1チームだけが強いと面白くないですよね。張り合うチームがいるから競争してお互いに強くなるんです。

歴史が生まれる、第一委員室

 国会の論戦の主戦場は第一委員室です。ここでたくさんの歴史が生まれてきました。第一委員室は予算委員会が行われる部屋です。予算委員会以外にも、国の重要な法案はここで議論されてきました。アーティストで言えば武道館、高校野球で言えば甲子園です。質問する時、答える総理大臣との距離も意外と近いんです。手を伸ばせば届くような距離で、質問と答弁をします。距離の近さが、白熱した議論を生むことにつながるのかもしれません。

 国会中継といって、テレビで中継されるのもこの部屋です。議員席を見下ろす中2階のようなところにカメラがズラッと並びます。私は質問の時に、わかりやすいようにフリップを使いますが、その時、カメラに向けて置くようにしています。

 第一委員室から一番近いトイレは、総理大臣や大臣も使います。長い予算委員会の間には、質問相手の大臣とトイレで鉢合わせすることもあります。いわば裏第一委員室。会った時は、一言二言会話したりします。

生まれ変わったら宇宙飛行士になりたい

 子どものころから星や宇宙が好きだったから、生まれ変わったら宇宙飛行士になりたいですね。昔調べたら、裸眼でなくてはだめと書いてあって、私は視力が低いから、「ああ、ダメだ」とあきらめたのですが、今なら視力は、「矯正視力」でもよいようです。

 そんな子どものころの夢もあって、今は宇宙の目をもった政治家になりたいと思っています。宇宙から見たら、地球には国境はないんですよ。国境線というのは人間が引いて、それを引いたことによって争いが起きています。国境なき世界、平和な世界にしたいですね。

 政治家になったことに後悔はありませんが、2005年に出馬した最初の選挙で落選してしまったため、家計的に苦しい中、子どもを育てながら活動していたころはしんどかったですね。子どもは、それまでは東京に住んでいたのですが、私が選挙に出るために、私の生まれた香川に転居しました。だから、子どもは、私が生まれ育った香川で小学生、中学生時代を過ごしました。

 そして、子どもが成長して多感なころに、私は国会議員になったから、子どもと接する時間は、あまりとれませんでした。子どもは、私がしていることをテレビを通して見たりして、今は理解してくれているけれど、小学生のころは、複雑な思いだったに違いありません。子どもが小さな頃に一緒に遊べなかったことは、後悔していることの一つです。

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 この記事の後編では、引き続き『僕たちはまだ、総理大臣のことを何も知らない。』(Gakken)より、今回の衆院選で躍進した「立憲民主党」の党首・野田佳彦氏が子どもたちに語った「挫折体験」や「お金に汚いと思った政治家の名前」などを取り上げる。

『僕たちはまだ、総理大臣のことを何も知らない。』

書籍を購入する『僕たちはまだ、総理大臣のことを何も知らない。』(長谷部京子著、Gakken)(他の写真を見る

【著者の紹介】
長谷部京子(はせべ・きょうこ)
東京都出身。青山学院大学卒。happier kids program主宰。リクルート社等を経て、経営者を育成する「大坂塾」に勤務しつつ、2012年、小・中・高校生の教室happier kids programをスタートする。自身の子育ての経験、我が子の中高時代の友人たちが、「ただいま!」と訪れてくれたことが教室の原点。学校、家庭以外の「心の居場所」になりたいと願い、教室を運営している。

デイリー新潮編集部

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