「監督でもやらない」矢野氏と「監督しかやらない」福留氏 中日人事難航で、落合氏「もう辞めたいのに……」出戻りの異常事態
矢野氏は井上監督に気遣い?
プロ野球中日のナゴヤ球場での秋季練習で10月12日、井上一樹新監督(53)が始動した。立浪和義前監督(55)の後を引き継いだ新監督の訓示は「俺が好きな選手になってくれ。やる気とか元気とか、みなぎるものが見えない者は、俺は好きではない」などと熱すぎるものだった。技術面以上にメンタル面の指導に優れた指揮官らしく、3年連続最下位チームの再建に乗り出した。
【写真】「ドラフトの“当たりくじ”にはこう書いてあるんだ」の声も…井上監督が掴み取った“当たりくじ”に刻まれた“5文字”とは。 2018年“中日ドラ1”の初々しい姿も
翌13日には親会社の中日新聞系列の中日スポーツが“平成唯一の三冠王”松中信彦氏(元ソフトバンク内野手)の招聘を報じた。一見、来季に向けて着々と体制が固まりつつあるように映るのだが、内情はそうでもない。ある球団関係者は「タツ(立浪前監督)の1年目も、当初は宮本(慎也氏=元ヤクルト・コーチ)を呼ぼうとしていたものの、ヘッドコーチが決まらずに苦労しましたが、今回もコーチ人事は難航しています」と表情を曇らせる。
かねて井上体制では、阪神の矢野燿大元監督(55)のヘッドコーチ就任が紙面で取り沙汰されてきた。矢野氏は中日でプロ入りし、途中で阪神にトレード移籍。現役生活を全うした阪神で2022年までの4年間で指揮を執り、全てAクラス入りと手腕を発揮している。
井上監督は中日時代に同じ控えという立場で親しかったため、矢野阪神ではヘッドコーチなどとして支えた。来季からは立場を入れ替え、再タッグを組むかと囁かれたのだが……。
コーチ経験がある中日OBが証言する。
「その前(井上監督決定前)に球団は矢野氏の監督就任が実現するかどうかの感触を確かめ、それが芳しくなかったようです。(有力候補に挙がっていた)一樹の椅子を奪わないよう気遣ったのか、それとも戦力不足の中日では勝算がないと判断したのか……。監督も(選択肢には)ないのですから完全に格落ちになるヘッドは、なおさらなかったのではないでしょうか」
野手総合コーチに日本ハムのスカウトだった飯山裕志氏(45)が就任したものの、現時点でヘッドコーチは空席のままだ。
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