若いエキストラに「どこかで誰かが絶対見てるよ」 西田敏行さんの“共演者をとりこにする”素顔を盟友らが証言
子連れで西田さんの家の前までやってきて……
「西遊記」「池中玄太80キロ」から「釣りバカ日誌」シリーズ、「ドクターX」まで。数々の当たり役を得て、長らく第一線で活躍した名優・西田敏行さんが亡くなった。彼は、いかにして国民的俳優と呼ばれるまでになったのか。名優たちが語る「素顔」とは。【前後編の前編】
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10月17日に虚血性心疾患で急死した俳優の西田敏行さん(享年76)の自宅は東京・世田谷区の住宅街の一画にある。クリーム色のタイル張り、3階建ての瀟洒(しょうしゃ)な一軒家だ。死から数日がたってもなお、家の前には10人弱の記者やカメラマンが張り付いており、親交のあった著名人が弔問に訪れるのを待っていた。
もちろん、国民的な人気を誇った俳優の死を悼んでいるのは芸能人や文化人だけではない。近所の住人だろうか、子連れで西田さんの家の前までやってきた中年男性が自転車を止め、子供と一緒に手を合わせていた。
「“起きて”と声をかけてしまうくらい、穏やかなお顔で」
NHKラジオのオーディオドラマ「新日曜名作座」で長らく西田さんと共演してきた女優の竹下景子が弔問に訪れたのは、西田さんの死の翌日だった。
「眠っているような、やさしいお顔をされていました。思わず“西田さん起きて”と声をかけてしまうくらい、穏やかなお顔でしたね。今にもにこっと笑ってくれるような気がしました」
竹下はそう語る。
「突然のことでとっても悲しいですけど、愛するご家族が暮らすご自宅で静かに逝かれたというのは、せめてもの慰めになることなのかな、と思いました。奥様とお嬢様が迎えてくださったので、そんなことをお話ししました。本当に急過ぎるし、西田さんのような方は他にいらっしゃらないだろうなと思うと、残念で残念で……」(同)
翌19日には、テレビ朝日系のドラマ「ドクターX」シリーズで西田さんと共演した女優の米倉涼子も弔問に訪れている。黒縁の大ぶりのサングラス、黒のノースリーブのワンピース姿の米倉が白い枕花を胸に抱いて車から降りる場面はまさに“女優米倉ここにあり”といったインパクトがあったが、自宅を後にする際、そんな彼女の顔も悲しみにゆがんでいた。米倉は今月8日、西田さんの遺作となった映画「劇場版ドクターX FINAL」の完成報告会見で彼と同席。弔問の際、米倉は枕花と共に映画の黒いTシャツも持参していた。
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