32年ぶり「フジ復帰」のコロッケ 「ものまね四天王」ブームとそれぞれの現在地
久しぶりの共演
1980年~90年代の“フジテレビ黄金時代”を思い出した視聴者も多かったのではないだろうか。ものまねタレントのコロッケ(64)が、フジ系の「土曜プレミアム とんねるずの2億4千万の大陸スペシャル」(10月19日放送)に出演、番組前半の「2億4千万のものまねメドレー選手権」でBTS、SixTONES・ジェシーから、十八番の岩崎宏美、野口五郎まで盛り込み、貫禄のパフォーマンスを見せた。
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「緊張するわ。だって、オレ、フジテレビのものまね番組出るの30年以上ぶり」
と苦笑するコロッケに、とんねるずの石橋貴明(63)は2年前の同番組収録後の夜、西麻布でスタッフと飲んでいたところで偶然コロッケと会い、出演オファーしたことを明かし、
「さっきリハーサル終わった時にコロッケとバッタリ会って、『お笑いスター誕生!!(スタ誕)』(日本テレビ系)の時の話して。(出会いから)44年ぐらい経ってる。改めて、今日コロッケの芸を見て、成長してるんだな、コロッケ」と、しみじみ語った。
その「44年前」のことを、コロッケはこう回想している。
〈上京して半年。夢のような番組がスタートした。その名も『お笑いスター誕生!!』。大好きだった『スター誕生!』のお笑い芸人版だ。「これだ!」僕は思った〉(コロッケ著『母さんの「あおいくま」』新潮文庫)
公開収録は代々木にある山野ホール。楽屋はオーディションを勝ち抜き、明日のお笑いスターを夢見る若者たちやスタッフで、熱気ムンムンだった。コンビでネタ合わせや、初対面のあいさつを交わす中、なぜかコロッケはいつも少し離れた場所にひとりポツンと座っていたという。
〈みな僕を避けているようで目が合うこともない。僕も僕で人見知りなものだから、自分からあいさつをしたり話しかけたりするなんてできない。仕方ないので、ひとりでネタの確認をしていたら、トントンと肩をたたかれた。
「はい?」
振り向くと、背の高い肩幅の広い男が立っていた。年は僕と同じくらい。僕を見下ろし、いきなり、
「オカマ?」
と聞いてきた。その質問があまりにも唐突すぎて、ドギマギしながら、
「……いや、違いますけど」
と答えると、
「だよね。どっから来たの?」
「熊本です」
それだけ聞くと、相方なのだろうか。背の高い目のギョロッとした男のところへ帰っていった。それが、とんねるずの石橋貴明と初めて交わした言葉だった〉(同)
「帝京高校の同級生だった石橋さんと木梨憲武さん(63)は、1980年にとんねるずを結成し(当初のコンビ名は「貴明&憲武」)、82年に『スタ誕』でグランプリを獲得しています。コロッケさんは熊本から上京し、80年に『スタ誕』6週勝ち抜きで銀賞を獲得しています。デビューが同年で、ともに『スタ誕』を経てテレビ出演のチャンスをつかんだので、いわば同志のような関係です。自分のオファーで出演が実現し、コロッケさんが貫禄のパフォーマンスを見せてくれたので、石橋さんは嬉しくて仕方なかったはずです」(フジテレビ関係者)
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