石破内閣が64日で退陣した「羽田内閣」の二の舞になるリスク 森山裕幹事長続投は「剛腕・小沢一郎氏」を封じるためか?
自公連立政権が15年ぶりに過半数割れの惨敗を喫した今回の衆院選。石破茂首相は辞任せず続投する意向を示したが、少数与党のままの船出となり政権運営は難航しそうだ。議席を伸ばした立憲民主党が野党を結集して政権奪取に動くことも予想される。今後は30年前に起きたような政権転覆の動きを常に警戒しなければならないのだ。
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森山幹事長の代わりを務められる人材がいない
総選挙から一夜明けた10月29日、石破首相は記者会見を開き森山裕幹事長も続投させる考えを示した。
このような惨敗を喫した場合、幹事長が責任を取って詰め腹を切るのが通例だが、「今の状況ではこのポジションを森山氏以外の人物に託すことが難しい」とベテラン政治部記者が解説する。
「今後の政権運営には、国民民主党や日本維新の会など中道寄りの野党の抱き込みが欠かせません。まずは11月11日にも開かれる特別国会で首班指名されるため、野党の一部を引き入れる多数派工作をする必要になる。しかし今のところ両党とも連立に参加するつもりはないと言っている。
そうなると今後、首班指名の協力や法案を通すための閣外協力、その先の連立交渉も進めるには、粘り強い交渉力と野党とのコネクションを持っている人が必要になる。森山さんは自民党の国会対策委員長を歴代で最も長く務め、野党各党に幅広い人脈を持つ。菅さんも日本維新の会との太いパイプで知られますが、健康不安を指摘する声もあり、このまま森山さんを続投させざるを得ない状況です」
立民にもなびかない維新と国民
実際、党内には森山氏に対し「選挙期間中に2000万円を裏金議員に配らなければこんな惨敗を喫しなかった」という不満が渦巻いているというが、
「森山交代論に傾かないのは、自民党の多くの議員たちが現状、森山さんしか幹事長が務まらないとわかっているからです」(同)
一方、この勢いに乗って政権交代を実現させたいと考えているのは大躍進した立憲民主党である。「非自公」が結集すれば、野田佳彦首相を誕生させることは数の上では不可能ではない。実際、立民は首班指名に向けて野田氏への投票を各党に呼びかけ始めているが、「野田首相実現」は至難の業だという。
「まず共産党が野田氏に投票することは絶対にあり得ません。野田氏は代表就任後、共産党と政権をともにすることはできないと明言して、都知事選で党についてしまった“立憲共産党”イメージの払拭に躍起ですし、野田氏が安保法制の当面継続を掲げたことに共産党は猛反発している」(同)
維新と国民民主も外交・安全保障などの政策の不一致を理由に現時点では立民と組むことに前向きではない。
「各党とも、首班指名の1回目は野田氏ではなく『田村智子』『馬場伸幸』『玉木雄一郎』と自分の党の党首の名前を書くのではないでしょうか。石破氏も野田氏も過半数を取れず、決選投票にもつれこむことは確実です」(同)
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