清原Jr.「育成でも指名ゼロ」の決定打になった“譲れない希望”とは? 「実力不足」や「事件の影響」よりも……

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「清原ブランド」の証し

 10月25日に開催されたドラフト会議で、プロ志望届を出していた慶大の清原正吾内野手(22)は、ついに指名には至らなかった。NPBには現役で度会隆輝外野手(DeNA)や山崎福也投手(日本ハム)、過去には黒田博樹投手(元広島)ら父親がプロでプレーした“二世選手”がいるものの西武、巨人などで通算525本塁打を放った大打者、清原和博氏(58)の長男となれば、知名度はケタ違いだ。

 清原は中学時代にバレーボール、高校時代にはアメリカンフットボールと他競技に取り組んだことで回り道をし、大学では小学生以来の野球復帰だったにもかかわらず、父譲りの身体能力で短期間に猛スピードで伸び、プロ側も認める将来性を備えていた。さるスカウトによると、複数球団が指名を模索したのだが、育成ドラフトでも指名がなかった結末には、あるコトが決定打になっていたという――。

 ドラフト当日、清原は横浜市内の母校で吉報を待っていた。5球団競合の末、楽天が交渉権を獲得した明大の宗山塁内野手ら1位から次々に指名選手が決まっていく中で、しかし、清原の名が呼ばれることはなかった。本人は育成指名まで待機していたものの、最後に残ったソフトバンクが13巡目で打ち切ると、全球団の指名が終わった。失意に暮れたように取材対応がなかった清原に代わり、慶大の堀井哲也監督は「プロ志望届を出してから、本当に多くの皆さまに注目していただき、本人も含めてわれわれも励みになりました。ドラフトでの指名は叶いませんでしたが、現実を受け止めて(開催中の秋季)リーグ戦に集中したい」と語った。

 慶大では10台近くのテレビカメラ、50人を優に超える記者たちが「清原Jr.指名」の瞬間に備えていた。ドラフト会議前からアマチュア球界トップクラスの選手たちに勝るとも劣らない注目を集めた事実は、球界における「清原ブランド」の証しでもあったのだが……。

 確かに清原はNPB球団が大学生に求めている「即戦力」とは言い難い。前出のスカウトが指名漏れの背景を指摘する。

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