紅白で「旧ジャニーズ」復活を狙うNHKに立ちはだかる壁 被害者の一人が「億超えの補償金」を要求で調停が難航
調停の行方
性加害問題を巡ってはスマイルアップに対し、これまで999人が被害を申告。うち504人と補償内容で合意に達した(9月末時点)。一方で折り合いがつかず、調停へと移行した被害者も4人いる。
NHK側が注視しているのはこの調停の行方だと話すのは、先の同局関係者。
「紅白で起用するとなれば、地ならしに加え、補償問題に解決のめどが立つことが前提になる。実は9月末にNHKスペシャルで性加害問題の検証・総括番組を放送する予定でしたが、自民党総裁選や、10月初旬に被害者の一人と調停が開かれる関係から延期になった経緯があります」
“18億円以下は受け取らない”
なぜNHKは調停を気にかけているのか。「当事者の会」関係者がこう明かす。
「10月8日に行われた調停で、被害者の一人に対してスマイルアップ側が従来より200万円を上乗せした2000万円の補償金を提示。ところが当の被害者はいまなお、億を超える金額を要求していると聞きます。そもそもスマイル側の当初の提示額1800万円に対し、“18億円以下は受け取らない”と話したといい、調停が進むにつれ要求額は4億、さらに2億円近くにまで下がったものの、金額の隔たりは埋めようのないほど大きなままとされます」
先のNHK関係者が言う。
「調停がこれ以上もめて、訴訟にまで発展したら、性加害問題に再び注目の集まる事態が予想される。そうなれば、旧ジャニーズタレントを起用したテレビ局にも騒動が飛び火しかねないことを恐れているのです」
NHKに紅白への旧ジャニーズタレント起用の有無などについて尋ねると、
「個別の番組の制作や編成の過程についてはお答えしていません」(同広報局)
と回答した。NHKの覚悟と信念が問われている。
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