“神ドラフト”が話題も「中日」の不安材料は投手陣…カギを握る「元ドラ1右腕」は井上新体制で“覚醒”するか

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それでも不安な投手陣

 4球団競合の末、侍ジャパンにも選出された左腕・金丸夢斗(21=関西大)の交渉権を獲得した中日ドラゴンズ。井上一樹監督(53)も派手なガッツポーズに満面の笑みを浮かべていたが、それでも来季のドラゴンズ投手陣はマイナスからのスタートとなりそうだ。

 中日・小笠原慎之介(27)がナゴヤ球場での練習後、ポスティングシステムによる今オフのメジャーリーグ挑戦の意向を表明した。加藤宏幸球団本部長もそれを認めており、大手エンターテインメント会社「WME(ウィリアム・モリス・エンデバー)」と代理人契約を結んだという。最後に小笠原はこう言った。

「井上監督にもご理解していただきました」

 中日ドラゴンズが二軍指揮官だった井上監督の一軍監督就任を発表したのは、10月10日。その後、宮崎で行われていた秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」に合流し、井上新監督は梅津晃大(28)と松木平優大(21)に「来年は規定投球回を最低目標にしてもらわないと困る!」と“目標設定”させるなど、投手陣の再建にも着手してきた。今季、24試合に先発登板した左腕投手・小笠原の離脱は戦力ダウンでしかない。

「井上監督の就任が決まった直後の10月12日、スカウト会議が招集されました。この席で投手中心の指名になることが確認されています。関西大の金丸夢斗(21)だけでなく、環太平洋大の徳山一翔(22=楽天2位)など、地方大学の左投手の視察に熱心だったのも小笠原の渡米を見越していたからでしょう。大野雄大(36)、涌井秀章(38)、柳裕也(30)らのベテランは二軍暮らしが長くなってきたので、若い投手陣の底上げができるかどうかが重要」(チーム関係者)

 井上監督は守護神のライデル・マルティネス(28)の慰留に自ら乗り出す意向も明らかにしており、今季不振だったウンベルト・メヒア(27)の残留も球団にお願いしている。投手陣の再整備に不安を感じているからだろう。しかし、そんな指揮官に“嬉しい誤算”が生じるかもしれない。

 カギを握るのは、あの男である。

「投手に転向して来季が4年目となる根尾昂(24)です。根尾は、井上監督と相性が良いと思います」(前出・同)

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