「背脂チャッチャ系」「豚骨醤油」の記述はナシ…35年前の「ラーメンガイド本」を読んで分かったラーメン文化の劇的すぎる進化
35年前のラーメン事情
昨今「ラーメンが1000円を超えるようになった」という嘆きの声をよく聞く。海外ではラーメン1杯が4000円といった例もあるだけに、日本はまだまだ安いものの、元々ラーメンはワンコインで食べられ、トッピングをしてもせいぜい700円といった時代を知っている人からすれば、現在は高いと感じられるのでは。
【写真】安い、うまい、早いで評判の博多長浜ラーメンの超人気店「元祖長浜家」の様子
無論、過去と比較すると。ラーメンの価格は確実に上昇している。店舗の光熱費や人件費、材料費の高騰を考えれば当然といえば当然だが、果たして35年前、ラーメンはいくらで提供されていたのだろうか?
ここでは1989年に発売されたラーメンの写真集『ベストオブラーメン』(文藝春秋社)に記載された現在も存続する店のラーメンの価格と現在の価格を振り返る。また、当時のラーメンのトレンドについても同書から読み解いてみる。なお、現在の価格については、公式サイトや「食べログ」等グルメサイトに記載されている情報をベースとする。
はつね(西荻窪):ラーメン 500円→650円
たんたん亭(浜田山):支那そば 550円→1000円
喜楽(渋谷):中華麺 520円→800円
三吉(銀座):ラーメン 210円→300円
春木屋(荻窪):中華そば 550円→950円
丸信(荻窪):ラーメン 420円→750円
丸福(荻窪):玉子そば 550円→900円
田丸(目黒):チャーシューメン 650円→950円
ラーメン二郎が350円
え? 「三吉」の210円→300円って何なんだ? 銀座だぞ! それはさておき、続けよう。
満来(新宿):チャーシューらあめん 1100円→1900円
芳蘭(札幌):醤油ラーメン 620円→850円
芳蘭(有楽町):みそラーメン 1000円→1200円
ますたに(京都):並ラーメン 450円→750円
小金ちゃん(博多):ラーメン 360円→650円
元祖赤のれん(博多):ラーメン 300円→580円
九州じゃんがららぁめん:じゃんがららぁめん全部入り 940円→1340円
満来のチャーシューはとにかく量がすさまじいので、このぐらいは取らないとやっていられないだろう。博多勢は元々が安過ぎたとしか思えない価格である。さらに見ていこう。
ラーメン二郎(三田):豚ダブル 350円→900円(現「小ぶたダブルラーメン」)
ホープ軒(千駄ヶ谷):メンマラーメン(生玉子入り) 700円→1200円
ホープ軒本舗(吉祥寺):中華そば 450円→750円
四海楼(長崎):ちゃんぽん 721円→1080円
きしもと食堂(沖縄・本部町):沖縄そば 500円→800円
ラーメン二郎の「豚ダブル」がかつて350円だったというのは驚きだ。
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