「昭恵さんが“2年前のあの出来事”について話し始め…」 崖っぷちの萩生田光一氏がすがる安倍元首相の威光

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「とにかく人望がない」

 先の出席者が言う。

「昭恵さんの涙ながらの話に、何人ももらい泣きしていましたよ」

 萩生田氏の情勢について、政治部デスク(前出)は改めてこう分析する。

「最終盤までもつれるのは必至ですが、有田氏は落下傘候補ですし、野党共闘もできていない。相手に助けられるかたちで九死に一生を得る可能性があります」

 一方、東京11区の下村博文元文科相(70)は引き続き悲観的な情勢だ。

「下村さんはとにかく党内外で人望がない。自民党の板橋区議なども、彼が当選した場合の復讐を恐れてリスクヘッジのために選対に加わっているだけで、大半が“寝ている状態”です」

 とは地元、板橋区の政界関係者。

「公明党も今回、下村さんを支援しない。にもかかわらず下村陣営が大っぴらに“比例は自民か公明に投票を”と訴えるのは、公明党の支援欲しさにすり寄っているだけ。それほど追い込まれているわけです」(同)

 板橋区民まつりの会場で20日、あいさつ回りをする下村氏に聞くと、

「逆風は感じますが、少なくとも、この会場で“裏金”と誹謗中傷されたことはありません。皆さんにも声をかけていただいて、非常にありがたい」

 だが、秋祭りの会場では温かい有権者も、実際の投票行動となると別である。前出の政治部デスクによると、

「古くからの自民党支持者すら今回は、立民候補者の支持に回っている。下村氏の劣勢は挽回しようがない。選挙の後は、政界引退することになるのでは」

“パンツ戦争”の第2ラウンド

 下村氏と同じく窮状にあえぐのが、福井2区の高木毅元国対委員長(68)だ。

 福井県連関係者が言う。

「福井2区は高木氏に加えて、自民党元職の山本拓氏(72)が出馬し、保守分裂選挙になりました」

 二人の遺恨の原点は11年前にさかのぼる。2013年、旧福井3区が現在の1区と2区に吸収・再編された際、山本氏は高木氏に2区を譲って比例に回ったのだが、

「以来、山本氏は高木氏を追い落とす機会をうかがってきました。山本氏は7年前、福井県連会長の立場でありながら、週刊新潮が報じた、高木氏がかつて他人の住居に侵入し、女性の下着を盗んだ“パンツ泥棒事件”を蒸し返して“県連独自の調査の結果、逮捕は事実だった”と公表した。ですが、高木氏から2区を奪うには至りませんでした」(同)

 つまり、今般の保守分裂選挙は“パンツ戦争”の第2ラウンドとでもいうべき戦いである。もっとも、

「両者ともに落選必至な情勢です。福井2区は四つの原子力発電所を抱えており、関西電力や日本原電の組織票を押さえたら勝てる地域ですが、どちらも非公認であるため電力票が分散してしまった。双方共倒れで、立民と維新が1位、2位を争っています」

 高木氏にとってせめてもの救いは、憎き仇敵も浮かばれないことか。

 後編【「涙を流しながら“お助けください”」 丸川珠代氏は悲惨な状況… 現役閣僚で落選危機なのは誰? ボロボロの自民党議員の選挙戦】では、苦戦が予想される自民党議員らの選挙戦について、詳しく報じている。

週刊新潮 2024年10月31日号掲載

特集「10.27総選挙 『萩生田光一』決起集会に参加した『安倍昭恵さん』音声データ入手 注目候補『17人』の最新情勢を探る」より

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