「岸田前総理」の応援演説に“公選法違反”疑惑…専門家は「“事前運動”と捉えられても仕方ない」と指摘

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 来る10月27日の投開票日を前に、波乱の総選挙もいよいよ大詰めを迎えている。岸田文雄政権退陣のきっかけとなった“裏金問題”は今なお尾を引き、与党にとっては依然として厳しい状況が続く。

「各メディアの情勢調査の結果は、どれも与党にとって厳しいものばかり。党員資格停止処分中の議員を含め258あった自民党の議席は大きく減ることが予測され、公明党の議席とあわせても、衆院定数465の過半数である233議席を確保できるか、微妙な情勢です」(全国紙記者)

 23日には、裏金問題によって非公認となった自民党候補者が代表を務める政党支部に、2000万円もの政党助成金がわたっていたことが「しんぶん赤旗」に報じられるなど “向かい風”は強まるばかりなのだ。

まだ告示前なのに……

 こうした中、傷は少しでも浅くせねばと邁進する一人が、岸田前首相だ。「政治とカネの問題に関して、心からみなさまにお詫びを申し上げたい」という前置きを入れつつ、どこか肩の荷が下りたような表情も見せながら、全国の自民党候補者の応援に駆け回っている。

 しかしその勢いが余ってしまったか。

「国のトップを務めた人が、こんなに堂々と公職選挙法違反を疑われる行為をするとは思いませんでしたよ」

 そう証言するのは、茨城県内の県政関係者。

「衆院選が公示された翌日の16日、自民党候補者の応援演説のためにつくば市を訪れた岸田さんが、告示前の『つくば市長選挙』の投票まで呼び掛けていたのです」

 この日岸田前首相が駆けつけたのは、茨城6区から出馬している自民党公認候補、国光文乃氏の街頭演説会だ。実はつくば市では、衆院選と同じ投開票日に市長選挙も予定されているのだが、こちらの告示日は20日。つまり、つくば市長選はまだ告示前だというのに、その投票を呼び掛けてしまっては、公職選挙法に違反しているのではないか、ということである。

 茨城県の選挙管理委員会も、

「一般的に、告示前の期間であるにもかかわらず、特定の選挙を明示した上で、特定の候補者への投票を促すような呼びかけがあった場合、その発言が公職選挙法上で禁じられている『事前運動』にあたる可能性があります。罪が認定されれば、1年以下の禁固または30万円以下の罰金に処せられると規定されています」

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