巨人ファンはもっとCSに怒ってもいいのでは? 今季「8ゲーム差」のDeNAに敗退…有名OBは「誰が考えてもおかしな制度」と指摘

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 たとえ手に汗握る好ゲームの連続だったとしても、クライマックスシリーズ(CS)自体が持つ問題点を看過するわけにはいかない──。セ・リーグを制したにもかかわらず、巨人はCSが原因で日本シリーズに進出できなかった。この不条理をG党は、もっと怒ってもいいのではないだろうか。

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 9月28日、巨人は対広島戦を8―1で完勝し、セ・リーグ優勝を決めた。シーズンが終わると2位の阪神には3・5ゲーム差、3位のDeNAには8ゲーム差を付けた。

 ところが10月12日、セリーグのCSファーストステージが始まると、DeNAが旋風を巻き起こす。2連勝で阪神を下すと、その勢いのままファイナルステージで巨人と対戦。初戦は2-0、第2戦と第3戦は共に2-1と接戦をものにして3連勝を飾った。

 怒濤の快進撃でDeNAが日本シリーズに王手をかけると、崖っぷちの巨人は意地を見せる。第4戦は4-1、第5戦は1-0で勝利し、アドバンテージの1勝を含めて逆王手。担当記者が言う。

「初戦から第5戦まで熱戦が続き、セ・リーグのCSは非常に盛り上がりました。どの試合も1点を争う好ゲームで、両チームのファンはもちろん、パ・リーグのファンも試合中継に釘付けだったようです。第6戦は日本テレビが中継し、視聴率は世帯平均が15・4%(註:ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。最終戦は戸郷翔征が先発して力投、8回と9回は菅野智之が登板するという豪華リレーで野球ファンを喜ばせましたが、最後はDeNAの牧秀悟がタイムリーヒットを放ち、巨人は2-3で惜敗しました」

「3位に入れば進出」の問題点

 巨人と阪神のOBである野球評論家の広澤克実氏は、以前から一貫してCSの開催を批判してきた。

 デイリー新潮は2023年9月、「【阪神・オリックス優勝】『2位と5ゲーム以上の差ならCSは開催すべきではない』タイガースOBの持論に賛否 改めて聞くその根拠」との記事を配信した。

 記事では広澤氏に取材を依頼し、CS批判の根拠について尋ねた。詳しくは当該記事を読んでいただくとして、広澤氏の主張を要約すると、以下のようになる。

▼プロ野球がポストシーズンを実施することには賛成。メジャーのポストシーズンは魅力的だが、CSは問題が少なくないため開催を反対している。

▼問題の一つが6チームのうち3チームがCSに進み、日本一となる可能性を手に入れてしまう点。12球団のうち6球団がポストシーズンに進むのは、いくら何でも多すぎる。

▼どんなにアドバンテージを厳しくしても、現行のままでは3位のチームが日本シリーズに進出できる可能性がゼロにはならない。だからこそCSは開催すべきではない。

 ところがネット上には「巨人がCSを推進してきたのだから当然の報い。3位のDeNAに負けて巨人が日本シリーズに行けなくても文句は言えない」という投稿が散見される。実はこれ、偽情報、フェイクニュースの一種だとご存知だろうか?

 話は2003年に遡る。今の若いプロ野球ファンには信じられないだろうが、当時は巨人に人気が集中。パ・リーグの各球団は長期的な人気低迷と赤字経営に苦しんでいた。

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