格子の向こうから女たちが声をかけ、客は格子越しに一夜妻を選ぶ──時代劇でお馴染みの「吉原」はどんな町だったか?

国内 社会

  • ブックマーク

 2025年大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で、横浜流星さんが演じる主人公・蔦屋重三郎は、吉原で寛延3(1750)年に生まれた。8歳のときに両親が離縁、その際、吉原にある親戚の家に預けられた。彼がひらいた最初の本屋は浮世絵と草双紙を主に扱っていたが、それを背負って、吉原で貸本屋を営んでいたようだ。

 そんな「蔦重」の前半生での活動の場・吉原とは、どのような場所だったのだろうか。作家・増田晶文氏が蔦屋重三郎の人生をさまざまな資料を元に明らかにした新刊『蔦屋重三郎 江戸の反骨メディア王』(新潮選書)には、二百余年前の「遊郭」の町の様子が詳しく記されている。...

つづきを読む