“昭和風ドラマ”が異例の345万回再生 「友近」サスペンス劇場がYouTubeで大バズリする理由

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約1時間半の動画

 友近が出演するYouTubeのドラマが話題になっている。9月13日にYouTubeチャンネル「フィルムエストTV」にて「友近さん&モグライダー芝さんと“あの頃”っぽいサスペンスドラマを撮ってみた」というタイトルで公開された約1時間半の動画である。

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 動画の概要欄に【友近サスペンス劇場『外湯巡りミステリー・道後ストリップ嬢連続殺人』】と記されていることからもわかる通り、一昔前に地上波テレビで放送されていた2時間サスペンスドラマの雰囲気を完全再現した作品である。

 もともと「フィルムエストTV」では、昭和のテレビ番組風のレトロな映像作品が公開されてきた。その時代の文化をこよなく愛する友近は、自らが出演する昭和風サスペンスドラマの企画をこのチャンネルに持ち込んで、実現にこぎつけた。

「昭和風」という映像の仕掛けはあるものの、内容そのものは完全なオリジナルドラマ。友近の故郷である愛媛県でロケを行い、地元の後援会の協力を得て、何とか完成に至った。YouTubeで、無料で公開される動画としては桁外れの労力がかかっている。

 この作品は、公開されるとすぐに話題になった。YouTubeの世界では尺の長い動画は再生されづらいと言われる中で、約1時間半のこの動画は現時点で再生回数345万回を突破しており、大ヒットを記録している。ネットニュースなどで取り上げられる機会も多く、ここ最近のウェブ系の動画コンテンツの中でも最も成功した作品のうちの1つだと言える。なぜ「友近サスペンス劇場」はここまで注目されたのか。

 その最大の要因は、企画自体の面白さと、実際の映像作品のクオリティの高さだろう。さらに言えば、友近という芸人の芸に対する人々の絶大なる信頼感こそが、この熱狂を生んだと考えても良い。

 芸人にはいろいろなタイプがいるが、友近は一貫して「自分の好きなものや気になるものを忠実に再現する」ということを芸の根幹に置いてきた。自分が出会った人や見てきたものの中から、琴線に触れたものを自ら再現して、ものまねネタにしたり、コントにしたりする。そうやって彼女は芸人として唯一無二の地位を確立した。

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