「室内でもサングラス」「乳がんが発覚しホルモン療法を」 上皇后さま、ここ20年の“ご不調”… 今回の骨折のリハビリで重要なポイントは

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「床ずれや肺炎などの合併症リスク」

 深刻な事態に至らず何よりである。整形外科専門医で「とだ小林医院」院長の小林慎一郎医師が言うには、

「上皇后さまは『右大腿骨上部の骨折』と報じられましたが、これは股関節周囲の『大腿骨近位部』の骨折を指すとみられます。ここは歩行時に力が入る箇所のため、けがをしてしまうと動かした時に強い疼痛が生じ、どうしても歩くことが困難になって筋力が衰えていきます。そうなると寝たままの状態が多くなり、床ずれや肺炎などの合併症を引き起しかねません。それを防ぐためにも早期に手術を行い、さらには『早期離床』をすることが重要になってくるのです」

 肝心のリハビリの内容については、

「ベッドから車椅子への移乗に始まり、平行棒や歩行器を用いた歩行訓練などが想定されます。こうしたトレーニングをおよそ数カ月、根気強く続ける必要があります。ただし一般的には、骨折前の歩行状態に回復するとは限りません。折れた足をかばうような歩き方になったり、つえが必要になったりするなど、歩行機能が低下するケースも多く見受けられます」(同)

 リハビリ中も、決して気を緩めることができないというのだ。

この20年の“ご不調”

 振り返ればこの20年、上皇后さまは絶えず“ご不調”に苛(さいな)まれてこられた。

「首の後部に痛みを覚える頸椎症を2005年から患っておられ、11年には『頸椎症性神経根症』と診断されました」

 とは、さる皇室ジャーナリスト。

「お痛みは不定期にやってきて、首から左肩、さらに左手まで症状が出ることがあり、また腰痛を併発される時もありました。お声を出すのがつらい際には、筆談でやり取りなさることもあったのです」(同)

 09年にはテニスの最中に転倒され、左膝の後十字靱帯を損傷。その2年後、右膝下のふくらはぎの外側が痛んで腫れ上がり、「下腿筋膜炎」と診断されている。このため、正座などでお体に負担のかかる宮中祭祀(さいし)への参列を見送られた時期もあった。

「15年には冠動脈の狭窄が発見され、心筋の血流が悪くなる『心筋虚血』と診断されました。その4年後、御代替わりから間もない19年6月には、心機能が低下すると分泌量が増えるため心不全の指標となるホルモン『BNP』の数値が高いことが分かり、続く心臓検査では心臓の弁が完全に閉じず、血液の逆流や不整脈が続いているという診断がなされたのです」(同)

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