23歳「西郷真央」米LPGA新人王へ “優勝せずとも上位入り”の手堅さで「日本女子ゴルフ34年ぶりの快挙」なるか

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1位の西郷と2位のイムは112ポイント差

 ルーキー選手たちはオフィシャル大会における成績に従って、1位なら150ポイント、2位なら80ポイント、3位なら75ポイントという具合にポイントを獲得していく。40位までは10ポイントが付くが、41位以下の予選通過者は5ポイント、予選落ちは0ポイントとなる。

 シーズン終了時、このルーキー・オブ・ザ・イヤー・ポイントレースで1位になった選手が受賞者となる。そして今年のポイントレースで現在1位を快走しているのが、西郷なのである。

 先週、韓国で開催されたBMWレディス選手権終了後、西郷の獲得ポイントはトータル875ポイントになった。西郷を追って2位に付けているのは韓国のイム・ジンヒで763ポイント、3位はオーストラリアのガブリエル・ラッフェルズで499ポイントだ。

 1位の西郷と2位のイムの差は112ポイントゆえ、逆転される可能性はまだもちろんある。

 米メディアの試算によると、「計算上、ポイントレースで1位になる可能性は、ポイントランキングの上位6~7人にある」とのことで、西郷はまだまだ気が抜けない状況ではあるが、シーズン終盤を迎えつつある今、日本人選手が新人賞受賞に迫っていることは、間違いなく素晴らしい。

優勝できずとも上位入りを重ねて首位に

 西郷は千葉県出身の23歳。2019年の日本女子アマチュア選手権を制し、同年のプロテストを受験して一発合格を果たした。

 翌2020年からJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)で戦い始め、デビュー早々に初優勝を挙げることはできなかったが、2022年ダイキンオーキッドレディースで初優勝を挙げた。

 JLPGAでは通算6勝の実績。2022年からは海外の大会にも挑み始め、同年のアムンディ・エビアン選手権では堂々3位タイに食い込んだ。

 今年からは米LPGAで本格参戦を開始。7月のCPKC女子オープンで単独2位、メジャー大会である8月のAIG全英女子オープンで7位タイ、そして10月にはビュイックLPGA上海で優勝争いに絡み2位タイに入るなど、今季のトップ10入りはすでに7回を記録。優勝できずとも、上位入りを重ねていることで、ルーキー・オブ・ザ・イヤー・レースの首位に躍り出た。

 そんな西郷の淡々とした戦いぶりには、米メディアも熱視線を向けており、「Mao Saigo」の名前は、すでに多々記されている。

 米LPGAの今季は、現在開催中のメイバンク選手権(マレーシア)が終われば残すところあと5試合。シーズンエンドまで、ルーキー・オブ・ザ・イヤー・レースから目が離せない。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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