腕時計だけで人の年収は分からない…ただし、腕時計だけが「ニセモノ」の“経営者”には注意が必要

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Instagramには詐欺師が結構いる

 腕時計はわかりやすい金持ち自慢のツールの一つ。なので、婚活サイトで知り合った自称・会社経営者の男性が高級腕時計をこれ見よがしに見せびらかしてくることがあるそうだ。筆者の後輩の女性は、まさにそんな男性と連絡を取り合っていた。ロレックスのデイトナを身につけた写真を送ってきたそうで、筆者が写真を確認したところ、これが完全に偽物であった。

 その男性は年収2000万円と自称していたそうだが、実態は、年収200万円くらいなのではないかと思われる。後輩の女性によれば、メールの印象では優しく誠実そうに思えたそうで、会う一歩手前までいったようだ。しかし、筆者のアドバイスを受けて約束はキャンセル、連絡を絶ったという。偽物の腕時計で金持ち自慢をする男を避けたのは、賢明な判断であるように思う。

 XやInstagramには札束の写真を載せ、高級腕時計やラグジュアリーブランドのバッグなどを見せびらかし、金持ち自慢をしている人がいる。こういった人々は、本当に富裕層であることも少なくないのだが、なかには怪しい人も混じっている。DMを送ってきた人に怪しげな商品や情報商材を売りつけるパターンが多いようだ。

 Instagramにいる詐欺師も、腕時計で見抜くことができる場合がある。ポルシェやフェラーリのハンドルを握り、腕時計が写り込むように撮影している人をよく見るが、筆者が見ただけで何人も偽物の腕時計を使っている人がいた。しかも、プロの質屋でも鑑定が難しいようなスーパーコピーを使っていることは稀で、ほとんどが稚拙な偽物であった。

高級腕時計を身につけてもモテない

 身につけている腕時計で相手の年収がわかる、という人がいる。これは半分正しくて、半分間違っている。かつてのバブル時代ならいざ知らず、今や腕時計はかなりマニアックな嗜好品になりつつあるから、富裕層であっても興味のない人は数多く存在する。年収が1億あっても1万円のクォーツ腕時計という人もいるし、腕時計を使う習慣がない人も多い。

 高級腕時計を身につけていればモテる、というテーマはよく話題になる。筆者の実感ではかなり間違っていると思う。腕時計を身につけていようがいまいがイケメンと美女はモテるし、オッサンはモテないのだ。そもそも、街角にいる若い女性であろうと、サラリーマン男性であろうと、ほとんどの人は腕時計のブランドなんてロレックスやカルティエくらいしか知らない。

 悲しいかな、腕時計の会話で盛り上がれるのはコレクターや愛好家のオッサン同士であろう。女性にモテたいのであれば、いい腕時計を身につけているよりも盛大にシャンパンでも開けるほうが絶対にモテる。若い女性を口説きたい場合は、よほどイケメンか金持ちでなければオッサンがLINEの連絡先を聞き、デートに誘うのは難しいので、最初から諦めたほうが良いだろう。

 ただし、繰り返しになるが、確実に言えるのは、とにかく偽物の腕時計を身につけている人はヤバい、ということだ。もし、営業に行ったとき、相手が良さげな腕時計を身につけていた際はぜひ突っ込んで話を聞いてみてほしい。万が一、相手が挙動不審になった際は、怪しそうだなと疑ってみてもいいと思う。

ライター・山内貴範

デイリー新潮編集部

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