「ごめん。キャンセルでお願い」 注目エッセイ集『死なれちゃったあとで』の著者が経験した、思わず人生を後押しされた「屈辱」とは
3年間はほぼ無職
2024年刊行のエッセイ集『死なれちゃったあとで』が話題の編集者・ライター、前田隆弘さん。いまから17年前、彼が地元の福岡を離れ東京に出てきたのは、とある一本の電話がきっかけだという。故郷を「捨てる」ことを決意させた、その言葉とは。
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上京して今年で17年。今は編集やライターの仕事をしながら生活している。たまに他人(ひと)から「やっぱり夢を実現するために上京したんですか?」と言われることがあるのだが、実際はもうちょっとカッコ悪い理由で、「もう地元にはいられない」と思ったから、というのが正解である。...