【法廷ルポ】「アポ電強致死」やり直し裁判で3被告に無期懲役 3年前「よっしゃー」と叫んだ男は憮然とした表情を浮かべ「傍聴席にガンを飛ばしまくっていた」

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「被告人3名をそれぞれ無期懲役に処する」。裁判長が判決を言い渡すと、3人のうち1人は憮然とした表情を隠そうとしなかった。

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3年前の「歓喜の雄叫び」から一転…

 またもや法廷で傲岸不遜な態度を見せたのは須江拓貴被告(27)である。須江被告は小松園竜飛被告(33)、酒井佑太被告(28)とともに、2019年、江東区で「アポ電強盗」を起こし、当時80歳の女性を死亡させた罪に問われた。アポ電強盗とは事前に電話を入れて資産状況を確認した上で強盗に押し入る手口の強盗である。

 21年の差し戻し前一審判決は、須江被告が懲役28年、酒井・小松園両被告が懲役27年だった。その時、無期懲役を免れ、法廷中に響き渡る声で「よっしゃー!」と雄叫びを上げた男こそが須江被告である。

 23年、高裁は「合理的な根拠がないまま、首の圧迫を示唆した解剖医の見解を排斥した」として1審判決を破棄。審理は地裁に差し戻されていた。

 差し戻し審でも3被告の弁護人は「女性は持病の悪化で死亡した」「頸部を圧迫したのは意図的ではなかった」として有期刑が相当と訴えた。一方、検察側は「死因が首の圧迫によるもの」として無期懲役を求刑した。

言い渡し直前には緊張した面持ちで「深呼吸」

 10月22日に東京地裁で開かれた判決公判で、須江被告は黒いスーツをまとい、威嚇するように肩を揺らしながら法廷に入ってきた。被告人席に座ってからは首を傾げたり、視線をキョロキョロさせて終始忙しない様子だった。そして時々、思い出したかのようにガンをつけるような目つきを傍聴席に向けるのだった。

 裁判長が言い渡しのため証言台へ立つよう命じた時は、緊張した様子で口を膨らませて深呼吸していた。だが、無期懲役が宣告された途端に憮然とした表情を浮かべた。その後も俯いたり仰いだり、落ち着かない様子で判決理由を聞いていた。

 閉廷した際、傍聴人は須江被告の様子を見守った。前回、このタイミングで「よっしゃー」と叫んだからである。須江被告は何も口に発しなかったが、目が合った記者を鬼のような形相で睨みつけてきた。

 一方、酒井、小松園両被告は大人しかった。酒井被告は2カ月前の差し戻し審初公判では入廷するなりニヤニヤと須江被告に視線を送り続けていたが、判決公判では終始視線を落としたままだった。小松園被告は生気のない表情で静かに判決を聞いていた。

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