創価学会の大幹部が「あいつだけは勘弁ならねえ」と激怒…裏金で逆風の「萩生田光一氏」と公明党との間に決定的な溝が生まれた理由とは

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学会票は4万4000票あまり

 かつて将来を嘱望された自民党の元幹部が逆風に喘いでいる。官房副長官、経産大臣、文科大臣、自民党政調会長など幹部職を歴任した萩生田光一氏だ。

 安倍晋三元総理に近かった萩生田氏は旧安倍派に所属し、一連の裏金問題の象徴的な存在となった。そのため、今回の衆院選では野党の立憲民主党に有田芳生元参院議員を対抗馬として立てられることに。現状、各社の世論調査などでは両者がデッドヒートを繰り広げている。

 その萩生田氏にとって手痛かったのは無所属での出馬になったことだろう。石破茂首相は一連の問題を受け、裏金議員の一部を非公認としたが、萩生田氏も例外ではなく、公明党からの推薦も出ていない。

 もっとも萩生田氏は折から公明党との関係が不安視されていた。

 地元政界関係者が解説する。

「萩生田さんの地元である八王子市は創価大学や東京富士美術館など学会関連施設が多く集まる創価学会の大票田です。萩生田さんは前回衆院選で14万9000票あまりを獲得していますが、そのうち学会票は4万4000票あまり、得票のうち実に30%を学会票に依存していると自民党の中で見られています」

 そのため、萩生田氏は地元では公明党・創価学会に全く頭の上がらない状態だった。

「八王子には地元選出の都議で公明党の東村邦浩さんがいます。東村さんは都議会公明党で幹事長を務めるドンのような存在です。萩生田さんが大臣になれたのも、東村さんの支援があってこそ。そのため、萩生田さんは平身低頭で東村さんに接してきました」

萩生田氏が支援者を擁立

 その萩生田氏と公明党・創価学会の信頼関係に亀裂が生じたのは昨年5月のことだった。選挙区の10増10減に伴う調整の中で、新設される東京28区(練馬区の一部)について両者で大揉めしたのである。

 その経緯を「週刊新潮」は当時、仔細に報じている。

 公明党は新設される選挙区の中でも、東京28区で擁立することを狙っていた。しかし、萩生田氏がある候補を立てると言って、強硬だったのだ。

「28区に、八王子の医師で萩生田さんの支援者だった安藤高夫・前衆院議員を自民党候補として立てたのです。支援者だけに、公明党が独自候補を擁立したいと要求しても萩生田さんが安藤さんを外さないのでは、といわれていました」(都連所属の自民党議員)

 さらに隣の東京29区でも公明党候補が出馬することを公にしているにもかかわらず、自民党の独自候補を立てる動きが水面下であった。しかも、その候補は萩生田氏を子飼いとする森喜朗元総理がかわいがっていた人物だったのだ。

 こうした一連の動きが創価学会の怒りを買った。

「東京における自公の信頼関係は地に落ちた」

 公明党の石井啓一幹事長が会見でそう語ったほどである。中でも激怒したのは創価学会の大幹部として知られる佐藤浩副会長だった。

「菅義偉元首相との強いパイプを活かし、政治担当として学会に君臨してきました。自公で何かトラブルが起こると最後は、菅-佐藤ラインで解決するということがままありました」(政治部デスク)

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